2004 Fiscal Year Annual Research Report
B中間子のFCNC崩壊過程における混合に起因するCP非保存の研究
Project/Area Number |
16340069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 靖志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40126199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石野 宏和 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90323782)
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Keywords | CP非保存 / 物質・反物質間の対称性の破れ / Bファクトリー / B中間子 / FCNC(香りを変える中性カレント) / 標準理論 / 小林・益川機構 / 希崩壊 |
Research Abstract |
1.物理解析 KEKB加速器は順調にルミノシティの記録を更新し、つい最近1.5×10^<34>cm^<-2>s^<-1>というマイルストーン的世界記録を達成した。これに呼応して、物理解析の方も順調に進んでいる。本研究グループが主体的に取り組んでいる解析についての現状と結果を記す。 (1)B中間子のπ^+π^-崩壊 この崩壊モードは、CP非保存パラメータの一つφ_2の測定に重要であるが、終状態がありふれたπ中間子であることからコンティニューム(他のクォーク対生成過程)のバックグランドの寄与が大きく、実験的に困難がある。カットを最適化し、PDF(probability Distribution Function)でフィットすることによって評価した結果、大きなCP非保存と、直接的CP非保存の初めての証拠を得た。また、アイソスピンの関係式から、φ_2の許容範囲について制限をつけることができた。φ_2の値は、現在の統計では小林・益川機構で説明がつく範囲にある。 (2)B中間子のA_2π崩壊 この崩壊モードもφ_2の測定に重要でありバックグランドの寄与も同様に大きい。現在、カットの最適化が終わり、分岐比の測定結果が出たところである。今後は、時間フィットを行ってφ_2を測定したい。 (3)FCNC崩壊 本研究グループはFCNC崩壊モードの解析にはまだ直接手がついていない。しかし、その解析に不可欠なツールの開発に寄与している。たとえば、コンティニュームバックグランド除去の最適化、時間依存フィットの改良など。また、下記のように、ハード面でも寄与している。 2.シリコンバーテックス検出器のトリガーシステムの開発 2003年夏にアップグレードされたシリコンバーテックス検出器の性能の向上、とくにトリガーシステムの開発に大きく寄与した。VAITAという読み出し回路は、128チャンネルのORのトリガー信号が出力される。全部で10万チャンネルを超える個々のチャンネルの閾値等を調整し、最終的にトリガーが可能なレベルまでもって行くことに成功した。衝突型加速器実験でバーテックス検出器によるトリガー開発を可能にしたのは世界初である。
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Research Products
(7 results)