2006 Fiscal Year Annual Research Report
偏極水素重水素標的とペンタクォーク粒子のスピン・パリティー
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16340074
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Research Institution | Osaka university |
Principal Investigator |
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (00030031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30332745)
田中 正義 神戸常磐短大, 教授 (70071397)
與曾井 優 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (80183995)
秋宗 秀俊 甲南大学, 理工学部, 助教授 (60319829)
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Keywords | 偏極 / 水素・重水素標的 / 低温施設 / 超伝導マグネット / 逆コンプトンガンマ線 / SPring-8 / 希釈冷凍機 / HDガス蒸留装置 |
Research Abstract |
SPing-8での偏極・逆コンプトンガンマ線による偏極陽子・重陽子(HD)標的装置の導入がH17年度より5カ年計画で文科省予算として支援されることが決まったことを受け、装置導入、運転、実験についての検討を開始した。平成17年度予算では、核物理研究センターの既存の液化ヘリウム施設に希釈冷凍機導入、17T超伝導マグネット設置のための直径2m弱、長さ5.5mの鉄筋構造の無い穴を掘削・設置した。また、希釈冷凍機を設置し、6.5mKの極低温を達成した。平行して、オンラインで標的の偏極を保つためのIn Beam Cryostat(IBC)の設計を行い、ヘルムコイルマグネットを水平方向、垂直方向に置くことで、スピン偏極を壊さずに偏極を回転する手法を考え、IBCの具体的設計製造を行った。また、偏極HD標的に必要な純化HDガス製造のための蒸留装置も導入し、運転を開始した。 SPring-8での実験データ解析が進み、いくつかの論文を発表した。 重複するが、行った研究項目を以下に列挙する。 1.偏極HD生成のための基礎条件の理論的考察を決定。モノクリスタルのHD標的生成の考察と超高純度アルミワイヤー使用の考察が完成した。 2.6.5mKの極低温を実現出来る希釈冷凍装置の完成。磁場計算を行い、17テスラの高磁場が発生出来る超伝導マグネットの据付、テストが終了。 3.HDガス蒸留器の据付、実験成果達成。フランスORSAY研究者との協力でHDガス中に混入しているH2、D2ガスを1万分1まで除去出来た。 4.希釈冷凍機を含む偏極コントロール系の完成。 5.偏極ターゲット運搬用クライオスタットはフランス・オルセー原子核研究所の協力により搬入された。 6.偏極を長期間保持し、実験を継続できるようにするための、インビーム標的システム(IBC)を設計・製作し導入した。 SPring-8でのGeV逆コンプトンガンマ線に関する研究をまとめて論文発表した。
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Research Products
(4 results)