2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横山 順一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50212303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釣部 通 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60335338)
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10222366)
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Keywords | 初期宇宙 / ダークマター / 宇宙背景輻射 / 初期密度揺らぎ / 有限温度の場の理論 / インフレーション宇宙論 / 原始磁場 / グラビティーノ |
Research Abstract |
超対称性・超重力理論は、コールドダークマターとなり得るニュートラリーノとともに、晩期崩壊して宇宙の進化に悪影響を及ぼすグラビティーノやモジュライ場の存在を予言する。本年度は、グラビティーノ生成を引き起こすモジュライの新しい崩壊モードを発見した一方、モジュライ崩壊時に生成する多量のエントロピーがグラビティーノ問題を解決し得ることを示した。さらにグラビティーノの崩壊時に生成するコールドダークマター粒子の存在量が、WMAPの最新の観測値とモデルパラメタの自然な範囲で一致することができ、他の宇宙論的制限とも整合性を保つことができることを示した。WMAPの観測データによりコールドダークマターの存在量が通常の熱的生成シナリオよりも少ないことが判明したが、これはこの問題の自然な解決を与えるものである。 次世代の宇宙背景輻射探査衛星による非等方性の全天観測を念頭に、温度揺らぎだけではなく、偏光の揺らぎのスペクトルも得られた際に、初期密度揺らぎのパワースペクトルを逆算する方法を開発した。これはこれまでに開発した手法を拡張し、補完するもので、精細データが得られるのが待たれるところである。 インフレーション後の再加熱時の最終段階は、熱浴中を振動するスカラー場によって支配される。このようなスカラー場の進化を、有限温度非平衡系の場の量子論を駆使することにより明らかにし、場の散逸率を正しく求めた。またそれを超対称性理論のflat directionスカラー場の進化に応用した。
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Research Products
(6 results)