2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 順一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (50212303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釣部 通 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60335338)
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10222366)
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Keywords | 初期宇宙 / インフレーション宇宙論 / 超重力理論 / 初期密度揺らぎ / 原始ブラックホール / 宇宙背景放射 |
Research Abstract |
今年度はまず、代表者らがWMAP衛星の観測データを説明するために提唱した、スムーズハイブリッドニューインフレーションモデルにおいて生成する密度揺らぎのスペクトルを数値計算によって正確に求めた。その結果、WMAP衛星の観測にかかる大スケールでは代表者らが先に行った解析的な見積もりと符合する結果が得られたが、小スケールに於いて異常なピークが生成することを見出した。これは比較的質量の大きな原子ブラックホールが形成することを意味し、天体物理的に興味深いものである。また、このようなピークが生成するは、第一回目のインフレーション後に起こる場の振動に起因したパラメター共鳴であることが詳細な解析の結果判明した。 このほか、精細観測データと理論の比較という観点から、超弦理論から導かれるディラトンのランアウェイシナリオに於いて微細構造定数と陽子・電子質量比の時間変化を計算し、観測を説明できるパラメター領域が十分あることを示した。さらに、モジュライの散逸に初期宇宙の熱的過程有効になる場合があることを示した一方、グラビティーノ問題についてはこれまで知られていなかった新しい生成機構があることを見出し、宇宙進化に大きな制限を課すことを示した。 宇宙論パラメターの推定については、マルコフチェインモンテカルロ法がもっぱら用いられているが、この一つの応用として密度揺らぎのスペクトル指数にスケール依存性がある場合について、ニュートリノ質量に課される制限を求め、スケール依存性の自由度のない場合よりもより厳しくなることを見出した。 インフレーション中に原始磁場が生成する条件を、超重力理論に基づいて一般的に解析した。
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Research Products
(10 results)