2005 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域赤外ポンプープローブ分光による遷移金属酸化物のキャリアダイナミクスの研究
Project/Area Number |
16340091
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芦田 昌明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60240818)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 伸吾 情報通信研究機構, 基礎先端部門, 主任研究員 (80272532)
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
|
Keywords | テラヘルツ時間領域分光 / ポンプ-プローブ分光 / 超短パルスレーザー / 光伝導アンテナ / 遷移金属酸化物 / 赤外分光 / キャリアダイナミクス |
Research Abstract |
昨年度は光伝導アンテナの高周波側における検出限界を調べ、100THzを超える中赤外域にまで感度を有することを明らかにした。一方、広帯域赤外光発生に非線形光学結晶を用いたため、結晶のフォノン吸収によって低周波側の5〜10THz付近はカバーできなかった。しかしながら、そのエネルギー領域には種々の超伝導体の超伝導ギャップや強誘電体のソフトモードが存在し、物性測定には欠かせない。今年度はその領域も含んだ発生・検出を行うため、光伝導アンテナ発生素子を購入し、特に低周波領域に注目して測定を行った。その結果、100GHzから25THzに及ぶ超広帯域において、光伝導アンテナが発生・検出に使用可能であることを確かめた。また、非線形光学過程を用いた発生・検出法と比較して、感度の周波数依存性が単調であることを見出した。これは、光伝導アンテナ発生・検出系が広範な物質の分光測定に適していることを示すものである。 時間領域分光法で上記の超広帯域をカバーするためには、光伝導アンテナへ照射するゲート光の時間遅延を細かいステップで広範囲に亘って行う必要がある。そのため測定点は膨大となり、各ステップ毎に時間平均を行う通常のステップスキャン法では、データ取得に膨大な時間を要する。この問題を解決するため、シェーカーを用いた高速スキャンを行い、電場波形の実時間計測を行いながらデータを平均する方法を開発した。これにより、レーザー光強度の長時間揺らぎによるデータの歪曲などを除去すると共に、所望のS/Nが得られた時点で走査を終了でき、効率的な測定が可能となった。
|
Research Products
(3 results)