2004 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体分域境界に生じる自発分極と結合した自由電子系の確定と解明
Project/Area Number |
16340093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 行男 九州大学, 理学研究院, 教授 (40274550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和正 九州大学, 理学研究院, 助手 (30380562)
藤沢 浩訓 兵庫県立大学, 工学研究科, 助手 (30285340)
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Keywords | 強誘電体 / 分極 / 表面 / 2次元電子 / 分域 / サイズ効果 / ナノ物性 / 反電界 |
Research Abstract |
酸化物強誘電体は、10-50μC/cm^2程度の巨大な表面電荷を持つ。このため、表面に電極が無いと、その漏れ出し静電場のエネルギーが著しく大きく、分域を形成して小さくすると考えられている。これは、通常強誘電体が絶縁体と見なせるからである。しかし、静電エネルギーで分域が規定されるのなら、電極無しでは、常に分域形成が静電エネルギーで制限されることになる。この影響は、極薄化すると甚大で、応用上も重要な問題である。目的:申請者らは、このような巨大な電界があると、強誘電体の最表面は単純な絶縁体と見なせないと提案し、初期検証として高真空中でBaTiO_3の表面伝導を測定し、支持する結果を得ている。 報告者らは、これらの点を解決する現象を見出した。強誘電体の表面は広義の分域境界とみなせる。従って、表面と同様の現象が強誘電体内部の分域境界にも起りえるが、それを示す伝導現象等を発見した。また、並行して従来不足していた実験手法も確立した。本研究の目的は、これに基づき強誘電体に特有な新しい電子系を確立し、その普遍性を例示し、2次元性等の本質的性質をマクロ・ナノスケールの実験で解明するである。 今年度は、1代表的強誘電体BaTiO_3の分域境界の高磁場中の伝導特性の装置のくみ上げを完成させた。また、ナノスケールの分域制御を行ったBaTiO_3微小領域の表面電子系の測定のため、極低温超高真空中の表面測定と、超高真空中でのナノスケール伝導特性の予備実験を完了した。また、分域境界の電気伝導の基礎特性を、純度の高い引き上げ単結晶を用いて確立した。さらに、巨視的な表面伝導の測定を、10^<11>torrまで到達可能な超高真空装置で再開した。
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Research Products
(6 results)