2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 茂生 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (20251613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 純夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30292262)
有馬 孝尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90232066)
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Keywords | 酸化物誘電体 / 磁気誘電効果 / マンガン酸化物 / 磁気容量効果 / 放射光x線回折実験 / 電子線回折実験 / マルチフェロイック物質 |
Research Abstract |
磁気秩序と強誘電秩序が1つの相において共存する物質は、多強性物質(マルチフェロイック物質)と称され、電気磁気効果や巨大な磁気容量効果などの物性と示すことから近年盛んに研究が進められてきている。本研究の目的は、酸化物誘電体において、電気磁気多重極子(電気分極、電荷、スピン、軌道)の相関により生じる電気磁気効果等の新規な現象を探索し、その微視的な起源の解明、これに基づいた新物質の探索を行う事である。今年度は、RMnO_3(R=Tb,Ho,Dy,Y,Ho)およびRFe_2O_4(R=Lu,Y,Eu)系での磁気・誘電相関効果について、試料作製、磁気・誘電測定、放射光x回折実験および電子顕微鏡実験を行い、下記のような研究成果を得た。 (1)EuMnO_3,GdMnO_3やDyMnO_3における磁性と誘電性の相関効果を調べた結果、長周期の変調磁気構造とその磁気秩序の形成が、本物質系の強誘電性を誘起していることを明らかにした。 (2)DyMnO_3において、磁場印加により誘電率が500%以上も変化するという巨大な磁気容量効果を見出した。 (3)六方晶構造(空間群;R3m)を有するYMnO_3やHoMnO_3は、3つのMnイオンによって形成される3量体構造の出現により強誘電相転移する。そこで、Mnサイトの一部を遷移金属置換することによる強誘電相転移および結晶構造の変化を調べた結果、Mnの一部をTiに置換することで、三量体の[001]方向への積層形式が変化し、結晶構造が六方晶構造から菱面体構造へと変化することを見出した。また、Ti置換したYMn_<1-x>Ti_xO_3(x=0.175)において、磁気誘電効果を見出し、約20-30nmサイズの強誘電ミクロ分域の存在と相関していることを明らかにした。 (4)酸素欠損量(δ)を制御したYFe_2O_<4-δ>を作製することに成功し、本系での誘電特性が酸素欠損量に大きく依存するとともに、その起因である電荷秩序構造が酸素欠損量(δ)の増加に従い、3次元的秩序構造から2次元的秩序構造に変化することを見出した。
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Research Products
(6 results)