2005 Fiscal Year Annual Research Report
スピン・軌道多体効果の展開と変貌する伝導電子-f電子化合物混晶による研究
Project/Area Number |
16340095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 晴善 東北大学, 極低温科学センター, 教授 (60302246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 明 東北大学, 極低温科学センター, 助教授 (90183772)
中村 慎太郎 東北大学, 極低温科学センター, 助手 (20292310)
木村 憲彰 東北大学, 極低温科学センター, 助手 (30292311)
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Keywords | 混晶 / f電子化合物 / 多体効果 / dHvA効果 |
Research Abstract |
前年に引き続きCe_xLa_<1-x>B_6およびPr_xLa_<1-x>B_6化合物において、電気伝導、ド・ハースーファン・アルフェン(dHvA)効果の測定を系統的に行った。Ce_xLa_<1-x>B_6化合物では磁場の低下とともに、有効質量が急激に増大するが、基底状態が秩序状態の場合は大きな一定値に落ち着く。一方、無秩序状態では非フェルミ液体的な振る舞いを示すことが明らかとなった。また、秩序-無秩序状態の境界近傍に向かって有効質量は発散的に増大するとともに、ディングル温度の測定から準粒子の寿命は有限に保ちながら、平均自由行程がゼロに漸近することを明らかにした。また、CeB_6においてはdHvA効果の測定を詳細に進め、今まで観測されていなかったもうひとつのスピンからの信号が存在することを明らかにした。Pr_xLa_<1-x>B_6化合物において有効質量のスピン依存性を調べた結果、Ce_xLa_<1-x>B_6化合物ほど大きな相違がないことが明らかとなった。 CeIn_3においてはdHvA周波数および有効質量の方位依存性を明らかにするとともに、有効質量のスピン依存性が方位、周波数によってどのように変化するかを明らかにした。 PrPb_3およびUPd_3の混晶の純良試料作製を継続するとともに、新たに、CeRu_2(Si_<1-x>Ge_x)_2の単結晶試料作製に着手した。混晶にも関わらず極めて明瞭なdHvA信号の観測に成功した。これまで、約15%までのGe濃度の試料について磁性、dHvA効果の測定がほぼ完成しており、量子臨界点近傍での電子状態、磁性の変化が明らかになりつつある。
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Research Products
(6 results)