2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
求 幸年 独立行政法人理化学研究所, 古崎物性理論研究室, 研究員 (40323274)
久保 健 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30015862)
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Keywords | 二重交換系 / 希薄磁性半導体 / 表面・界面 / 磁性 / 電気伝導 / 不均一系 / 乱れ / 揺らぎ |
Research Abstract |
不均一な状態における二重交換系の磁性と電気伝導に関する数値的研究を行った。対象として、二重交換模型およびその拡張(電荷整列との競合模型や希釈模型)を取り上げ、モンテカルロ法やCPAを用いた計算を行った。 二重交換系は、均一な場合には強磁性金属を示すことが古くから知られており、マンガン酸化物などの強磁性金属相を表す模型として取り上げられてきた。しかし、最近の実験によりマンガン酸化物の磁気輸送現象を理解するためには系の不均一性や乱れの効果を取り入れる必要があると考えられるようになった。また、Ga(As, Mn)などの希薄磁性半導体では希釈された二重交換模型という本質的に不均一な模型を取り扱う必要がある。 本研究では、まず電荷整列相と強磁性金属相が競合している状態における不均一性の影響についてモンテカルロ法などを用いて調べた。その結果、均一な系で見られる2相競合による多重臨界性が抑制され、エントロピー由来のリエントラント転移が生じることが示された。 さらに、希釈された二重交換模型における電子状態の変化と磁気伝導現象との関連をCPAやモンテカルロ法を用いて調べた。その結果、不純物バンドの形成が強磁性金属相の出現に大きな役割を果たしていることを見いだした。 これらの結果は、不均一性を取り入れていない模型から出発したり、不均一性を平均場的に均して取り扱ったりした場合には得られないものであり、これらの系における磁気伝導現象が本質的に不均一性と強く関わっていることを示唆している。
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Research Products
(6 results)