2004 Fiscal Year Annual Research Report
銅酸化物高温超伝導体における電子の自己組織化と輸送現象
Project/Area Number |
16340112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
安藤 陽一 財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所材料物性創製領域・領域リーダー (90371286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 世紀 財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所・材料物性・創製領域, 主任研究員 (80371293)
瀬川 耕司 財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所・材料物性・創製領域, 主任研究員 (20371297)
小野 新平 財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所・材料物性・創製領域, 主任研究員 (30371298)
孫 学峰 財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所・材料物性・創製領域, 特別契約研究員
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Keywords | 銅酸化物高温超伝導体 / 自己組織化 / 輸送特性 / 磁気抵抗 / ホール係数 / 擬ギャップ / 電荷ストライプ / チェッカーボード秩序 |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体中では電子が強い相関を持つために、電荷ストライプの形成など「電子の自己組織化」と考えられる現象が起こることが近年わかってきた。この自己組織化現象に伴って観測される物性の異常を理解するための理論として「電子液晶モデル」や「チェッカーボード秩序モデル」などが提唱されている。また非超伝導状態において存在する擬ギャップやスピン秩序が、電子の自己組織化とどう関わっているのかも重要な問題である。そこで本年度は、これらの問題に関する研究を行って以下の成果を挙げた。 1.電子の自己組織化によってできた秩序が高温で融解する様子を明らかにするために、La_<2-x>Sr_xCuO_4単結晶における磁気輸送特性を1000Kまで測定し、自己組織化が存在しない高温でのホール係数が予想外の電子濃度依存性を示すことを明らかにした。 2.極低温での希薄ドープYBa_2Cu_3O_y単結晶の熱伝導率測定を行い、擬ギャップ状態が本質的に絶縁体的であること、またこの絶縁性は電子の自己組織化に由来している可能性が高いことを明らかにした。 3.La_<2-x>Sr_xCuO_4系において低温での電荷移動度の電子濃度依存性を詳細に調べることによって、特定の分数に対応するドープ量において電荷秩序が起こる「魔法数」の存在を発見し、「チェッカーボード秩序モデル」が観測された魔法数をよく説明することを明らかにした。 4.Bi_2Sr_<2-x>La_xCuO_<6+δ>系におけるc軸抵抗率を58Tのパルス強磁場下で測定することによって、磁場が擬ギャップに与える影響を明らかにした。 5.希薄ドープLa_<2-x>Sr_xCuO_4単結晶における面内磁気抵抗を58Tのパルス強磁場下で測定することによって、磁場がスピン秩序に与える影響を明らかにした。
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Research Products
(2 results)