2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340116
|
Research Institution | University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
清水 和子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30017446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助手 (60230140)
|
Keywords | 準安定状態ヘリウム / レーザー冷却 / 磁気反射 / 量子反射 / 原子光学 / 固体表面ポテンシャル |
Research Abstract |
本研究では、レーザー冷却し磁気光学トラップに捕獲した準安定状態ヘリウム原子のシリコン表面における量子反射の実験的研究を行ってきたが、今年度はシリコン表面にニッケル薄膜を蒸着した試料の反射測定を行った。 トラップされる原子は3重項状態で角運動量J=1の状態であるから、磁気ポテンシャルによるカを受ける。スピン偏極したヘリウム原子ビームを表面近くの微弱な磁場測定を行うプローブとして用いる可能性を探ることを目的として実験を開始した。 次のような試料を作成した。ニッケルの厚さはいずれも約10nmである。 1)ピッチ254μmの回折格子状にニッケルを蒸着 2)ピッチ0.2mm、0.3mm、0.4mmの回折格子を同じシリコン基板に蒸着 試料1)では50%以上の反射と高次回折パターンが観測されたが、蒸着後1年以上経過した試料では反射が観測されないことが判明した。また2)では回折格子状構造のピッチと反射率の関係が一定でないこと、構造のない平面状薄膜による反射率が高いことなどが観測され、様々な作成条件の試料を作成することが必要になった。現在、定量的な説明に必要な資料作成条件の検討を行っている。
|