2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340119
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田中 大 上智大学, 理工学部, 教授 (20119134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 正光 上智大学, 理工学部, 助手 (40392112)
北島 昌史 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (20291065)
上田 潔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50151791)
斎藤 則生 産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (80344191)
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Keywords | 原子・分子物理 / 電子分光 / 形状共鳴 / 放射光 / 内殻励起 / 光電子 / 同時計測 / イオン |
Research Abstract |
昨年度と同様に、形状共鳴状態の崩壊ダイナミックスの精密測定を進めた。 電子衝突により発現する分子の共鳴状態は分子ポテンシャルにより一時的に電子がトラップされる形状共鳴と一時的な電子励起を伴うFeshbach共鳴とに大別される。軟X線領域の光子衝突で観測される分子の内殻吸収スペクトルもまた、閾値の上では形状共鳴に支配される。この形状共鳴とは光電子が分子ポテンシャルに一時的にトラップされた後に放出される現象であり、低エネルギー電子衝突に見られる形状共鳴と本質的に同じである。本研究では、形状共鳴における角運動量移行と電子放出に伴う振動励起・電子励起の機構を解明し少数多体問題としての形状共鳴の本質を明らかにすると共に電子と核の運動との結合による断熱近似の破れを実証することを目指した。 今年度は昨年度に引き続きN_2,O_2,CO,H_2O,CO_2といった基本的な分子に加え、CH_4,C_2H_2,F_2CO,H_2CO,C_3H_6,C_3F_6CF_3X(X=Cl,Be,I)等のプロセスに関連した多原子分子を対象とし、低エネルギー電子衝突実験を上智大学で遂行すると共に、放射光共同利用施設SPring-8における共同利用実験により内殻光電子分光実験を行ってきた。また前年度に引き続き加熱分子による内殻吸収スペクトルの測定をN_2OやCF_3Iに対して行った。 1.低エネルギー電子衝突実験(上智大学):従来から使用している電子分光装置を用い、CO、F_2COをはじめC=O結合を持つ分子に対して伸縮振動モードの励起関数を測定し、分子による形状共鳴の違いを明らかにした。また、CF3X系の分子に対して、電子励起スペクトルを測定し電子状態の同定に成功した。 2.高分解能内殻光電子分光実験(Spring-8):形状共鳴エネルギー領域におけるイオン芯の振動励起の探索のため内殻光電子分光をN_2やCO_2について精密に行い、各振動成分の部分断面積と非対称パラメーターを決定した。また、今年度は加熱N_2Oや加熱CF_3Iから熱解離したCF_3ラジカルからの内殻吸収スペクトルの測定にも成功した。 18年度研究成果は欧文論文14編、また国際会議4件(招待講演1件)として報告された。
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Research Products
(14 results)