2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子メソスコピック構造の転移キネテックス-ジャイロイド構造を中心にして-
Project/Area Number |
16340123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 隆夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (50127990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 博一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60127123)
今井 正幸 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (60251485)
野々村 真規子 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (20333320)
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Keywords | 高分子 / ミクロ相分離 / 構造転移 / キネテックス / ジャイロイド / 水・界面活性剤系 / 電子線トモグラフィー |
Research Abstract |
(野々村、太田)これまで、高分子共重合体の構造間転移を発展方程式から導いた振幅方程式により調べてきた。たとえば、構造転移の途中で出現する穴あきラメラ構造の安定性について振幅方程式で解析し、準安定状態であることを確認し、今井グループの実験と比較検討した。今年度は元の発展方程式を高速に解くプログラムを組み、それを用いたラメラ相からダブルジャイロイド相やFddd相からラメラ相への転移のシミュレーションを行った。このプログラムでは構造の発展と同時にシステムサイズも変えることができるため、構造周期の異なるジャイロイド構造と他の構造間の転移も容易に扱うことができる。また、ラメラ相とダブルジャイロイド相が界面を接して共存しているとき、その界面の構造や界面の運動を数値的に調べ、長谷川グループの実験と比較検討を始めている。数値シミュレーションでない成果としてはジャイロイド構造の弾性理論を進展させた。 (今井)界面活性剤/水系でのラメラ相からダブルジャイロイド相への転移機構をその前駆現象および中間構造の観点から統一的に記述した。特に中間構造であるロンボヘドラル相(3層穴あきラメラ構造)はラメラ相からだけではなく、シリンダー相からの転移でも中間構造として見出されるダブルジャイロイドへの普遍的なゲート構造である。 (長谷川)ポリスチレン-ポリイソプレンジブロックコポリマー/ホモポリスチレンブレンドについて電子線トモグラフィーを用いてラメラ/ジャイロイドグレインバウンダリーの3次元構造を明らかにした。ポリスチレン-ポリイソプレンジブロックコポリマー単体が高温ではFddd空間群の対称性を持つ構造を平衡状態でとりうること、低温ではラメラ構想への秩序-秩序転移を起こすことをSAXS測定およびTEM観察により見出した。
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Research Products
(6 results)