Research Abstract |
最近,種々の構造探査により,縦波速度(Vp),横波速度(Vs),電気比抵抗などが同一断面上にマッピングされるようになってきた.それら観測可能なVp, Vs,比抵抗,Qなどから,どのような物質がどのような状態にあり,どのような破壊・摩擦特性をもっているのか推定できるようになることを目指した,実験的・理論的研究を推進する.そのためには,震源域に存在しそうな物質を用い,室内実験によりVp, Vs,比抵抗などと,破壊・摩擦特性を様々な条件下で同時測定することが必要である.同時測定が必要なのは,間隙の形状や連結性に依存する物性パラメターは,(特に高温で間隙水が存在する場合,化学反応が活発なので,)温度・圧力を与えても一意に定まるとは限らないからである.本年度は同時測定ができるように地震研に既設の実験装置の改造などを行った. 封圧をかけるときは,岩石試料に加圧液体(封圧媒体)が入り込まないようにジャケットで被覆して実験するが,絶縁ジャケットとして最も高温で使えるテフロンの使用最高温度は,200数十度である.それより高温では,薄い金属ジャケットを使わざるをえず,試料を電気的に絶縁できなくなる.そこで,ガードリングを用いてジャケットを流れる電流と試料内部を流れる電流を分離して測定できるようにガードリング・モジュールを設計・製作し,蛇紋岩を用いて予備的測定を開始した.また,速度および状態依存摩擦則のパラメータを精度よく求められるように、速度ステップ実験が可能な制御システムを開発した.
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