2004 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導重力計とレーザ歪計による地球核の固有振動の検出-神岡と松代での比較-
Project/Area Number |
16340134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐藤 忠弘 国立天文台, 電波研究部, 教授 (10000176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
今西 祐一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30260516)
大橋 正健 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80213833)
福田 洋一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30133854)
田村 良明 国立天文台, 電波研究部, 主任研究員 (90150002)
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Keywords | 地球核の振動 / 超伝導重力計 / レーザ歪計 / 神岡-松代 / 気圧擾乱 / 気圧観測ネットワーク / スマトラ北西沖地震 / 低周波地球自由振動 |
Research Abstract |
本研究は、地球の核に起因する微弱振動の検出を目的にしている。そのため、温度条件が良く、岩盤も強固で、且つ世界最高水準にあるレーザ歪計が設置されているカミオカンデ観測点に超伝導重力計(SG)を設置し、この歪計との比較観測をする一方、信号検出確度をあげるため、神岡同様に温度、岩盤条件が良く、且つ近接している松代観測点でのSGとの比較観測を行っている。 継続3年の初年度として、本年は主に装置改良、SG観測の立ち上げを行った。具体的には、 (1)神岡でのSG設置に万全を期すため、製作元である米国の会社との共同作業で、水沢での改良、立ち上げ試験を9月から10月に掛けて実施し、性能の確認を行った。 (2)2004年10月17日から神岡での設置作業を開始し、10月22日、観測を開始した。 (3)本研究で目的とするような微弱信号の検出上の大きな問題として、気圧変化による擾乱がある。この影響を高精度で補正することを目的に、両SG観測点を含む9点からなる、東西方向に約100km、南北方向に約50kmの広がりを持った気圧観測ネットワークを構築し、観測を開始した。 (4)レーザ歪計については、ヨウ素安定化レーザをネットワーク経由でリモートに制御できるよう改善を行うと共に、絶対長の観測システムを完成し、地球潮汐を100m基線の絶対長の変化として検出することに成功した。 神岡での観測を開始した2カ月後(2004年12月26日)、スマトラ北西沖でM9.3の巨大地震が発生した。神岡、松代のいずれの観測点でも、この地震の良好な記録をとることができた。特に、地球自由振動_0S_0モードについては、今年3月28日に同地域で起こったM8.7の地震でリセットされるまで、全期間に渡って観測することに成功した。このモードを含め、_0S_2,_0S_3等の低周波地球自由振動の解析結果を米国の専門雑誌に投稿した。現在、査読中である。
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Research Products
(6 results)