2004 Fiscal Year Annual Research Report
北太平洋におけるサブダクション過程の定量的・実証的解明
Project/Area Number |
16340135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須賀 利雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70211977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時枝 隆之 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (90354555)
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Keywords | 北太平洋亜熱帯循環 / サブダクション / 水塊 / モード水 / 冬季混合層 / フロン / プロファイリングフロート / 酸素センサー |
Research Abstract |
高精度・高解像度等密度面平均海洋気候値データおよび冬季混合層気候値データから見積もった,水温・塩分階級ごとの,混合層から永年密度躍層へのサブダクション率と,永年密度躍層を構成する主要水塊の体積分布との比較を行った.その結果,北太平洋中央モード水の密度帯で沈みこむ海水の水温・塩分特性と,躍層内に分布する中央モード水の特性との間に系統的なずれがあることを見出し,躍層構造の維持に沈み込み後の混合過程が重要であることを示唆した. 上記の冬季混合気候値を,Argoデータから求めた混合層深度の分布と比較して、その妥当性を確認した. WOCE(世界海洋循環実験)で得られたフロンデータを解析し,モード水の形成時のフロン濃度が飽和に達していないことを示唆した.この結果は,海洋内部への気体の取り込み過程の理解や,永年密度躍層を構成する水の年代評価にとって重要な情報といえる. 海洋研究開発機構学術研究船白鳳丸のKH-04-4次航海により,北太平洋亜熱帯循環西部におけるCTD観測,採水観測,XCTD観測を9月〜10月に実施し,冬季混合層で形成された水塊の変質過程の考察に有効なデータを取得した. 平成14年度に投入した等密度面追随型プロファイリングフロートによる,亜熱帯・亜寒帯境界域におけるサブダクション過程のラグランジュ観測を継続し,3年近くに及ぶ長期時系列データを取得した. 酸素センサー付きの等密度面追随型プロファイリングフロートの仕様を検討・確定し,これを購入した.当初,平成17年度以降に投入する予定だったが,フロートの納期が予定よりも早く,また,水産庁調査船照洋丸の協力が得られたことから,計画を早めて平成17年2月に,中央モード水形成の現場に投入した.中央モード水の形成から変質までをラグランジュ的に観測するために理想的な投入にといえる.フロートからは順調にデータが送信されてきている.
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Research Products
(3 results)