2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 次郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30174931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
北出 裕二郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50281001)
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Keywords | 二重拡散対流 / ソルトフィンガー / 北太平洋中層水 / 回帰線水 / 密度比 / 乱流構造 / ENSOイベント |
Research Abstract |
東大海洋研白鳳丸に乗船し、西部太平洋海域でCTD、ADCP、LADCP、本研究費で購入したTurboMapを用い、水温、塩分、溶存酸素、速度場、乱流構造(エネルギー逸散率など)の観測を行った。その結果は現在解析中であるがNPIW(北太平洋中層水)の下部付近で二重拡散対流が活発である様子が捉えられた。乱流パラメータに関しては測器のデータ伝送等に問題があり、良好なデータが得られなかったこの点については改良を加え次年度の観測に備える予定である。 気象庁凌風丸1967年〜1989年までの東経137度線に沿う各層観測データ、1990年〜2002年までのCTDデータを用い、二重拡散対流の指標となる密度比の平均分布、並びにその経年変動を調べた。その結果密度比のモードは4程度であり、この測線に沿う西部気体太平洋海域では二重拡散対流の形態の一つであるソルトフィンガー対流は比較的静穏であることがわかった。一方、NPIW、並びに回帰線水下部では密度比の値は小さく、ソルトフィンガーが活発に生起している可能性が示された。経年変動に関してはENSOイベントとの関連を中心に調べ、σ_θ=25〜26の比較的浅い層で、日本沿岸付近の高緯度域と赤道域で、ソルトフィンガーは不活発となる一方、中緯度域では大きな変化は見られなかった。CTDデータによるより詳細な解析から、NPIWの中心部コアが分裂する現象が見いだされた。その頻度は13年間で3回程度であったが、その場合にソルトフィンガーの活発度が増加する傾向が見いだされた。
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Research Products
(2 results)