2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340137
|
Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF MARINE SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
吉田 次郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30174931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
北出 裕二郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50281001)
|
Keywords | 二重拡散対流 / Turbomap / エネルギー逸散率 / 密度比 / 鉛直フラックス則 / 階段構造 / WOCEデータセット / 1Munk |
Research Abstract |
東大海洋研白鳳丸に乗船し、三陸沖合混合水域、西部太平洋海域でCTD、ADCP、LADCP、本研究費で購入したTurboMap、XCTDを用い、水温、塩分、溶存酸素、速度場、乱流構造(エネルギー逸散率など)の観測を行った。その結果、顕著な貫入現象が観測され、上下境界面で大きなエネルギー逸散率が観測され、二重拡散対流に伴うものと推測された。 シンプルな水温、塩分一次元拡散モデルに、密度比によって変化するという現実に即したソルトフィンガー鉛直フラックス則を導入することにより、大西洋における典型的な水温塩分鉛直プロファイルの時間発展を調べ、その結果、フラックスの収束に伴う密度不安定を再現することに成功し、顕著な水温塩分階段構造が発達する現象世界で初めて捉えた。この階段構造は当初鉛直スケールは小さいものの、時間と共に鉛直的に融合し、スケールが大きくなり、最終的には解消し、密度比が2に至ると言う現場海洋に即した実験結果が得られた。 WOCEデータセットを用いた全球レベルでの水温・塩分拡散係数のマッピングを引き続き行い、大西洋全域、南極周極流付近で10^<-4>m^2/s(1Munk)に近い値が得られたが、太平洋では10^<-6>m^2/s〜10^<-5>m^2/s程度であった。これらの値は躍層を維持するには不十分な値であるが、二重拡散対流の役割を無視できない量であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)