2004 Fiscal Year Annual Research Report
梅雨前線帯小低気圧とそれに伴う豪雨の構造とメカニズム
Project/Area Number |
16340138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坪木 和久 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (90222140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80184935)
篠田 太郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助手 (50335022)
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
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Keywords | 梅雨前線 / 小低気圧 / 雲解像モデル / CReSS / 集中豪雨 / 豪雨予測 / ドップラーレーダ / 東シナ海 |
Research Abstract |
梅雨前線帯小低気圧に伴う豪雨を観測するために、平成16年5月21日〜6月11日にかけて、沖縄本島と宮古島に設置したドップラーレーダを用いて集中観測を行なった。この期間は梅雨前線が観測領域に形成され、多くの降水システムが観測された。ドップラーレーダの観測データについて、宮古島のレーダは1台のレーダ反射強度の解析を、沖縄本島のレーダについては、通信総合研究機構のマルチパラメーターレーダとの組み合わせで、ドップラー速度と反射強度の解析を行い、観測された降水システムの構造を調べた。 上記の特別観測期間中、雲解像モデルCReSSを用いて、沖縄・東シナ海領域の毎日の予報実験を行なった。これにより、観測をサポートするとともに、CReSSがどの程度正確に降水システムをシミュレーションできるかを調べた。予報実験では水平格子間隔5kmを用いたが、この程度の格子間隔でも、降水システムを実時間でおおむね予報でき、観測と組み合わせて現象の理解を助けた。 平成15年の6月7日から8日にかけて宮古島付近で観測された梅雨前線帯小低気圧について、宮古島のドップラーレーダのデータ解析を行なった。宮古島の降水の極大に対応して、風向の変化がみられた。ドップラー速度の解析から、大気下層に顕著な風の変化があり、東風と北東風が卓越しているときに下層収束が大きく、風向が変化するときに、流れの変形場が大きい。これらの速度場の変化に伴い、特徴的な降水が見られた。 雲解像モデルCReSSを用いて、平成15年度に観測された梅雨前線、中間規模低気圧、メソスケール低気圧およびそれに伴う豪雨のシミュレーション実験を行なった。その結果、中間規模低気圧内にメソスケールの低気圧が形成されるのが再現された。メソ低気圧の水平スケールは200km程度で、下層のシアーラインに沿って形成された。この低気圧に伴う降水システム、風速場、気圧場などは観測されたものによく対応していた。
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Research Products
(3 results)