2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 圭一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90292804)
内藤 陽子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50324603)
庭野 将徳 京都大学, 大学院理学研究科, 講師(研究機関研究員) (40402771)
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Keywords | 成層圏突然昇温 / 準2年周期変動 / 成層圏周極渦 / 線形トレンド / ランダム内部変動 / 経験的モード展開 / スペクトルモデル |
Research Abstract |
*数値実験 ・成層圏突然昇温時前後の惑星波の振舞いに対するQBOの影響評価 3次元全球大気モデルで太陽放射は北半球冬季の条件とし赤道域帯状流QBO強制を8つの位相に分けて固定して、長期間の積分を繰り返した。各位相で得られた多数の成層圏突然昇温現象に注目して、帯状平均場および惑星波動成分のコンポジット解析を行い、それらのQBO依存性を明らかにした。 ・2次元球面モデルによる成層圏周極渦の準周期的変動の成因に関するパラメータ実験 南半球成層圏周極渦の準周期的変動のメカニズムを理解するために、帯状流の順圧不安定性に起因する移動波と地形による強制波との相互作用に起因する周期解・準周期解を求め、経験的モード展開低次モデルによる解の遷移の診断を行った。 *データ解析 ・再解析全球気象データによる極域大気へのQBO影響の統計的評価 NCEP再解析データ46年分をもとに、QBOの位相約2000日ずつのコンポジット解析を行い、大サンプル法で差の有意性を検定した。冬季の高緯度圏界面付近で最も有意な差が得られた。 ・内部変動が大きい有限長データにおける見かけのトレンドの分布関数と線形トレンドの検出可能性 ランダムな内部変動が大きな周極渦に関する有限長データから線形トレンド(成層圏寒冷化)を統計的に検出できる可能性を調べた。メカニスティックモデル(15200年積分)および大気海洋結合モデル(1000年積分)の内部変動データをもとに、50年のデータで検出できる気温・降水量トレンドの大きさを具体的に見積もった。 *理論およびモデル・ツール開発 ・成層圏周極渦変動の感度解析の準備 ISPACKコードをもとに2次元大気モデルを整備して、感度解析を実行する手順を検討するとともに、現実的な周極渦変動を表現するパラメータ領域を把握した。 ・分解能が空間変化するスペクトルモデルの構築と問題 中央の興味対象域は高分解能で周辺領域では漸次粗くなる2次元スペクトルモデルを開発して、バランス渦流の変形と重力波放射の問題に応用した。
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Research Products
(7 results)