2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 以知子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40211966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道林 克禎 静岡大学, 理学部, 助教授 (20270978)
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Keywords | 蛇紋岩 / 沈み込みスラブ / 脱水反応 / 脆性-延性転移 / 高温高圧変形実験 / 応力-歪曲線 / 固体圧式変形試験機 / 間隙圧 |
Research Abstract |
静岡大学に設置されている固体圧式3軸変形試験機MK65Sでは、内部摩擦の影響を補正し、高い精度でモホ面付近に相当する高温高圧下の岩石のレオロジーを決定することに成功している。平成17年度は、岩石の力学的挙動と水(流体)の関わりについて明らかにすることを目的として、スラブ内地震のトリガーとして注目されている蛇紋岩の脱水反応と脆性-延性転移の関係を調べた。蛇紋岩の脱水不安定性についてのこれまでの知見の多くはガス圧式試験機による封圧500MPa以下の実験によるものであり、高圧のスラブでも同じように間隙圧上昇の効果があるとは考えられない。そこで本研究ではより高い圧力(封圧800MPa)のもとで、高温型蛇紋岩(アンチゴライト)の定歪速度3軸試験を行なった。実験に用いたのは京都府大江山超塩基性岩体の蛇紋岩であり、繊維状の高温型蛇紋石(Antigorite)を主体とする。試料は10φ×15mmのシリンダーに整形し、バッファー用のNi-NiO箔とともに銀箔に封入した。実験は封圧800MPa、定歪速度(0.67×10 -4 sec -1)で行なった。圧媒体にはパイロフィライトとタルクを用いている。実験の結果、脱水反応温度より低温(500℃)では差応力が1GPa近くでも破壊や降伏がみられなかったが、高温(700℃)では脱水軟化が起こり、定常クリープに移行する応力-歪曲線が得られた。さらに、アニーリング時間(反応時間)や歪速度などの条件を変えて、実験を行なっている。
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Research Products
(4 results)