2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 以知子 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (40211966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道林 克禎 静岡大学, 理学部, 助教授 (20270978)
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Keywords | 高温高圧変形実験 / 脱水反応 / 蛇紋岩 / 瑪瑙 / 圧力-歪曲線 / 顕微FTIR / 結晶方位定向配列 / 脆性-延性転移 |
Research Abstract |
固体圧式実験装置MK65S(静岡大学設置)を整備し,高温高圧下での差応力を精密決定する手法を確立した(熊澤・清水,2006;清水ほか,2006).MK65Sは上下2対の荷重変換機により内部摩擦の効果を相殺できる構造をもつ世界で唯一の固体圧試験機であり,これまでの研究で精度よい応カ-歪曲線が得られることが実証された.また扱える試料サイズも直径10mmと比較的大きく、多結晶体である岩石と流体を含む系の破壊挙動を調べるのに適している。本年度は昨年度に引きつづき,高温型蛇紋岩と瑪瑙の変形試験を行なった.蛇紋岩をはじめとする含水鉱物の脱水反応は,スラブマントルや海洋地殻を震源とする地震を誘発するメカニズムとして注目されている.そこで,従来より高い圧力条件(〜0.8GPa)で蛇紋岩(アンチゴライト)の変形実験を行なった.本年度は歪速度や静的アニーリング時間などの実験条件を様々に変化させてレオロジーを詳細に決定した.その結果,脱水反応に伴う顕著な歪軟化や脆性-延性転移挙動が明らかになった.これらの挙動の変化は間隙の生成と圧密や剪断帯の形成と関わるものと考えら,スラブ地震のメカニズムに重要な示唆を与えるものと考えられる.瑪瑙の実験では,実験試料の後方電子散乱像(EBSD)を解析した.粗粒石英粒子のc軸ファブリックは圧縮軸方向への集中がみられた.これは動的再結晶における結晶粒成長によると解釈される.また予察的に,実験前後の試料中のH2O量の変化を顕微赤外分光法(FTIR)によって定量した.
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Research Products
(3 results)