2004 Fiscal Year Annual Research Report
二次元ESR熱解析装置の開発と沈み込み帯地震発生域掘削コア試料への応用
Project/Area Number |
16340156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福地 龍郎 山口大学, 理学部, 助教授 (90212183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 俊克 山口大学, 工学部, 教授 (70091212)
千々和 一豊 山口大学, 教育学部, 助教授 (50217238)
坂口 有人 海洋研究開発機構, 固体地球統合フロンティア研究システム, 研究員 (80304666)
今井 登 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門・地球化学研究グループ, グループ長 (20356512)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / フェリ磁性共鳴 / 断層 / 摩擦熱 / シュードタキライト / ビトリナイト反射率 / 沈み込み帯 / 地震発生域 |
Research Abstract |
本年度は、断層岩試料を非破壊で二次元的に解析する電子スピン共鳴(ESR)装置を作成することを研究目的とした。始めにESR装置の組み立てを行い,その後,穴あきキャビティ,変調磁場コイル及びX-Yステージ用試料台の作成を行った。組み立てたESR装置は日本電子製JEOL RE-3Xで,通常の測定における装置の状態をチェックするために,山口県宇部市及び美祢市から採取したビトリナイト試料と鹿児島県内之浦剪断帯から採取したシュードタキライト試料のESR測定を行った。いずれの試料においても典型的なESR信号が検出され,装置の測定感度は非常に高い事が確認された。ビトリナイト試料については,ESR信号強度とビトリナイト(Vi)反射率の関係を詳しく調べた結果,両者の間には,Vi反射率が約0.5〜3%の範囲では直線関係が見られることが明らかとなった。一方,Vi反射率が3%を超えると飽和傾向を示し,5%以上では急激に減少することも判明した。Vi反射率5%以上ではESR信号の形が明らかに変化しており,Vi反射率と同様に,ESR信号の強度と形状の変化が断層摩擦発熱の検出に利用できる事が明らかとなった。穴あきキャビティは,共振モードがTE_<111>型のものを2種類作成した。一つは,径が1mmφのピンホールタイプで,もう一つは3×10mmのスリットタイプである。いずれのタイプでも,そのままの状態では信号が検出されないので,銅パイプを改良して外部から取り付ける100kHz用変調磁場コイルを新たに作成した。その結果,スリットタイプのキャビティでは,平面カット試料からESR信号を検出することに成功した。特にビトリナイト試料からは,通常測定の場合と同様の巨大な信号が検出された。また台湾・集集地震で活動した車籠埔断層の掘削コア試料を使用した測定でもESR信号が検出でき,二次元ESR熱解析が可能である事が示された。
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Research Products
(1 results)