2006 Fiscal Year Annual Research Report
二次元ESR熱解析装置の開発と沈み込み帯地震発生域掘削コア試料への応用
Project/Area Number |
16340156
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福地 龍郎 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (90212183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 俊克 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70091212)
千々和 一豊 山口大学, 教育学部, 助教授 (50217238)
坂口 有人 海洋研究開発機構, 固体地球統合フロンティア研究システム, 研究員 (80304666)
今井 登 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門・地球化学研究グループ, グループ長 (20356512)
|
Keywords | 電子スピン共鳴 / フェリ磁性共鳴 / 断層 / 摩擦熱 / シュードタキライト / ビトリナイト反射率 / 沈み込み帯 / 地震発生域 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までに完成した二次元ESR画像解析装置の分解能を向上させるために,穴あきキャビティの改造を行った。昨年度作成したスリット型(スリット幅3mm×10mm)キャビティの上に,φ3.0mm及び2.6mmのピンホールを開けた真鍮製板を取付けた。その結果,従来2〜3mm程度しかなかった分解能が,φ3.0mmピンホールでは0.5mm程度,φ2.6mmピンホールでは0.25mm程度まで向上した。ピンホールの径を小さくすることによりESR信号の検出感度は急激に減少するのでマイクロ波出力を増大させる必要があるが,長時間安定的にESR信号を検出するにはマイクロ波ガンダイオードの発熱や消耗などを考慮して100mW程度が限界であることが判明し,現時点における装置の分解能は0.25mm程度と見積もられた。地震発生時における断層摩擦熱の温度は断層面から離れると急激に変化するので,これまでの研究から少なくとも1mm程度の分解能が必要であるが,今回のキャビティ改造により断層摩擦熱を検出するのに十分な分解能が得られるようになった。 一方,改造したφ2.6mmピンホールを使用して,較正用ニッケル標準試料(磁化率54.56emu/g)の他,天然の磁鉄鉱,蛇紋岩,斑レイ岩,野島断層岩,台湾・チェルンプ断層ガウジなどのESR計測を行い,標準試料との比較により二次元磁化率分布を計測する方法を開発した。また,野島断層岩の二次元ESR画像解析を行い,過去の地震活動による断層摩擦熱を0.25mmの分解能で検出することに成功し,加熱実験結果を元に摩擦発熱温度を見積る手法を開発した。以上の結果の一部は,平成18年度日本地球惑星科学連合(アジア・オセアニア地球科学会との合同会議),日本地質学会第113年学術大会及びアメリカ地球物理学連合2006年秋季大会(AGU 2006 Fall Meeting)で発表した。
|
Research Products
(1 results)