2004 Fiscal Year Annual Research Report
放散虫類は古生代・中生代境界で絶滅したか-三畳紀最前期放散虫化石の古生物学的研究
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16340160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
竹村 厚司 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90192632)
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Keywords | 放散虫化石 / 古生代 / 中生代 / P / T境界 / ニュージーランド / アローロックス / 大量絶滅 / 層状チャート |
Research Abstract |
ニュージーランド北島北部の小島アローロックスには,三畳紀最前期のGriesbachianからDienerianの層状チャートがいくつかのセクションに露出している.このうち,今年度は昨年度までに採取したARFおよびARHセクションの試料を用い,放散虫化石の抽出と電子顕微鏡による写真撮影を行なった. ARFセクションでは,Dienerian下部に当たる5.9m層準の試料より最も保存の良い放散虫化石が得られた.この試料からの放散虫化石は,ほとんどがペルム紀のものに類似のEntactiniidae科の球形の放散虫であるが,それ以外に古生代に特徴的なLatentifistulidae科の新属も産出した。これは中央の小球から三本のチューブが伸び,その周囲に三角形の殻が発達するもので,殻の形状より少なくとも二種が含まれている。さらに少数ではあるが,ペルム紀後期のAlbaillella属に含まれる種も産出している。これらペルム紀型放散虫について現在、電子顕微鏡観察と新種の記載を行なっている. ARHセクションはGriesbachianからDienerian下部に当たり,以前に採取したチャート試料のうち約10試料から保存良好な放散虫化石を得た.これらの放散虫は,大部分がペルム紀後期と共通のEntactiniidae科やLatentifistulidae科であり,属・種レベルでも多くが共通である.また上部のDienerianの試料からはARHセクションに共通のものも見られている.これらの放散虫についても電子顕微鏡観察を行なっており,また産出報告に関する論文を作成中である. 昨年11月から12月にはアローロックスの現地調査を行ない,ARHセクションに加えARHやARJセクションの試料採取を行なった.しかし,悪天候とARFセクションが海浜礫に埋まっていたこともあり,全ての層準の試料は採取できなかった.
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Research Products
(2 results)