2004 Fiscal Year Annual Research Report
マントル最下部における珪酸塩の溶融関係に関する実験的研究
Project/Area Number |
16340164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
寺崎 英紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50374898)
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Keywords | 溶融実験 / 下部マントル / CMB / 放射光実験 / ダイヤモンドアンビルセル / レーザー加熱 |
Research Abstract |
本年度は、新たに導入したスパッタリング装置の立ち上げ、及び高温高圧用のダイヤモンドアンビルセルの作成を行い、これらの装置を用いた室内実験、放射光実験と回収試料の分析実験を行った。スパッタリング装置には蒸着ターゲットとしてFe、MgO、Al2O3を導入し、それぞれのスパッタリングの最適化条件を調べた。その結果、それぞれのターゲットにおいて1-2ミクロンの均一で強固な膜を試料に蒸着する事が可能となった。高温用ダイヤモンドアンビルセルは冷却機構を追加する事で加熱中の圧力変化や測定位置の変化を回避する事が出来る仕様になった。高圧下における溶融実験は、MORB試料、天然オリビン、Fe-FeS系の試料を用い、本研究室に設置されているレーザー加熱装置又は高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設に設置されたレーザー加熱装置を用いて行った。MORBに関しては約130GPa-3000Kまでの条件で実験を行い、全溶融に至るまでの相についてX線によるその場観察を行った。その結果、低圧側では溶融直前までの相が主として2Pv+Stで有るのに対して、100GPa領域では溶融直前までCMA-Pv相が観察される事が新たに分かった。また、Fe-FeS系の実験では135GPa-2000Kまでの溶融関係を調べ、レーザーの吸収効率変化を調べる事により、溶融又は部分溶融による急な温度変化を決定できる事が分かった。この結果、50-60GPaで溶融曲線の変化が見られ、高圧側では融点の圧力変化が小さくなる事が分かった。このFe-FeS系試料に関しては、回収試料のSEM観察を行う事により、出発相からの固相反応領域と溶融領域が確認できる事がわかった。また、高圧領域での結晶相の高圧X線その場観察実験からは、ソリダス相がFe3S+FeからFe2S+Feへと変化しており、溶融曲線の変化に対応していると考えられる。
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Research Products
(6 results)