2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
有馬 眞 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (10184293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正弘 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (70232270)
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Keywords | ポアソン比 / P波速度 / S波速度 / 震源域 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震震源域(深度15-20km)の低速度・高ポアソン比の異常体の発見は,陸域直下型地震のメカニズム研究に新たなパラダイムを示唆しつつある。この低速度・高ポアソン比異常体が地殻内のフルイド貯留層であるのなら,間隙流体圧の上昇は陸域浅発大地震のトリガーとなっている可能性が大きいからである。また、深度10-15kmには高速度・低ポアソン比異常体が存在し、石英濃集層がフルイド貯留層の上に覆っている可能性が高い。したがって、地震波速度異常やポアソン比異常から、地殻内のフルイド貯留層の形態や近傍構造を評価するためには、島弧地殻深部に相当する温度圧力条件下での岩石の弾性波速度とポアソン比を精確に測定することが非常に重要である。 16年度の本研究では,ポアソン比の精密測定を行こなうことを目的として,P波速度およびS波速度を同時に測定できる弾性波速度測定装置の開発を行ない,最高温度800℃,最大圧力10kbまでの温度圧力範囲で測定可能となっている.これまでの高圧下における地殻構成岩石のポアソン比はP波測定とS波測定を個別に行ない見積もられた値であり、精確な決定法ではないのに対し,本研究ではP波速度およびS波速度を同時に測定することにより精確なポアソン比が得られるようになった。ドイツにおける研究では、P波・S波速度を同時に測定する例もあるが、その実験温度条件が最大400-600℃であり、島弧のような高地温勾配地域の深部地殻の温度と比べかなり低温条件下での測定しか行われておらず、地震学データとの直接対比が困難であった.しかし,本研究では最大1GPaかつ1000℃の高温高圧領域での岩石のP波・S波速度測定装置をすでに開発しており、さらなる装置の改良によって最大1GPaかつ1000℃の高温高圧領域でのポアソン比測定に着手できる段階へ突入した。
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Research Products
(6 results)