2004 Fiscal Year Annual Research Report
天然のナノ鉱物・ナノ反応の解析による進化・環境・太陽系初期過程解明へのインパクト
Project/Area Number |
16340168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 教授 (30101059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 亮一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80252419)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 教授 (00183947)
福原 晴夫 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50108007)
笹川 一郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (00095134)
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Keywords | 鉱物 / 微細組織 / ミクロ / ナノ / 環境 / 隕石 / プカンブリア / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
天然のナノ鉱物・ナノ反応の解析による進化・環境・太陽系初期過程解明へのインパクトという課題について、高分解能電顕を駆使し、幾つかの素材で取組んだ。一つは、進化の問題で、プレカンブリアの試料である、世界的に有名なガンフリント、及びマーブルバーチャートの微化石様構造の鉱物学的解析を行った。この結果、微化石構造は3重の異なった鉱物からなる同心円状部分が見いだされた。ミクロ〜ナノスケールの組織をもち、中心部はアパタイトで、いかにも生物にかかわりそうな鉱物構成であることが分かった。これは、地球外生命をさぐるアストロバイオロジーにもなり、この結果は、論文化した(現在印刷中)。環境問題として、世界の地下水ヒ素汚染のヒ素の起源と、その溶出のメカニズムをさぐる研究をすすめた。この結果、内モンゴルの地下水ヒ素汚染で、著しい還元状態で、真っ黒な砂粒ができ、ヒ素が溶出している例があり、その原因として、硫酸塩還元バクテリアの作用により、硫化水素が発生していること、それにより砂粒の表面にナノ〜ミクロスケールの硫化鉄構造への変化が生じていることを推定した。これはヒ素フォーラムで発表した。論文化をめざす。太陽系初期過程の問題は、隕石を素材に検討した。隕石中からナノダイヤモンドの新たなタイプを見いだし、その一部は、論文化をした(現在印刷中)。また、広い意味での環境として地質環境をとらえるならば、花崗岩マグマの冷却過程でのアルカリ長石の微細組織とそのミクロ〜ナノ反応過程を検討した。これは琵琶湖周辺の花崗岩体について調べたもので、マグマ自体の熱水により、長石とのナノ〜ミクロ反応の跡が多数みいだされた。これは、冷却過程での組成の変化、イオン交換等として、理解解析でき、Electron Petrographyというべき、研究例を先駆的に示したことになると考える。これは2論文にまとめた。
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Research Products
(6 results)