2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340169
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大高 理 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (40213748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉朝 朗 熊本大学, 理学部, 教授 (00191536)
下埜 勝 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (30319496)
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Keywords | ジャーマネートメルト / 液体の局所構造 / EXAFS / 焼結ダイヤモンド / 放射光 / X線ラジオグラフィー / マグマ / 超高圧 |
Research Abstract |
SrGeO_3及びCaGeO_3組成のジャーマネート試料について高圧XAFS実験を行った。室温での加圧では、5GPa以上でXANESスペクトルに変化が見られ、EXAFS解析からGe-0距離の不連続な増加が確認された。これはペロブスカイト型相への相転移に対応する。次に高温高圧下でメルト試料のXAFS測定を行つた。5GPa以上の領域で、Geの配位数が4から6に変化し、高密度メルトが生成されることを見出した。これらの実験では、試料を比較的低温で融解させるためにフラックスとしてB_2O_3を用いていたが、この添加物の影響を調べるため、フラックスにH_2O_2を用いた測定を行った。その結果、圧力誘起局所構造変化の起きる圧力には化学組成の影響があまりないことがわかった。 X線ラジオグラフィー実験のためのDiamond/SiCアンビルのHIP合成と高温高圧発生実験を行った。今年度は15mmおよび14mm角立方体を製作した。ダイヤモンド/SiCアンビルは絶縁体であり、高温発生にはヒーター電極用のリードを必要とする。そこで本研究では、電極用のWCアンビルと組み合わせる、いわゆるハイブリッドシステムを使用した。放射光実験としてKEK-PFのMAX-IIIを用いたX線回折実験を行った。縦型ゴニオを持つこの装置の場合、回折実験では最低1個のアンビルがX線に対して透明であればよいが、ラジオグラフィー実験等の可能性も踏まえ、ダイヤモンド/SiC4個とWC4個を試料部がアンビルを通して見えるように組み合わせた構成を用いた。試料には、NaCl:金(10:1重量比)を使用した。圧力媒体は主にLaCrO_3、またX線の"窓"部分にはMgO、ヒーターにはReを用いた。ガスケットにはパイロフィライトを用いた。圧力は、NaClと金の状態方程式により決定した。温度はW-Re熱電対を用いて測定した。20GPa・1500℃程度までの条件でX線回折実験がルーチン化できた。この程度の条件であれば、ブローアウトがなければ、アンビルを繰り返し使えることも確認された。さらに、このアンビルのX線透過率が高いという特徴を生かして、X線ラジオグラフィー実験を開始した。SPring-8のBLO481において、玉落とし法を用いた高温高圧下での液体の粘性測定をおこなった。まだ、予備実験の段階であるが、アンビルを通して試料部分をCCDカメラにより観察できることがわかった。
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Research Products
(6 results)