2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 純一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20212920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 允堯 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00037235)
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Keywords | 海底熱水活動 / 熱水鉱床 / 流体包有物 / マグマ性流体 |
Research Abstract |
計画の初年度である平成16年度には、(1)分析機器の導入と分析システムの構築(分担:石橋)、(2).現世海底熱水鉱床からの試料採取(分担:石橋)、(3)現世鉱石試料の鉱物観察(分担:島田)、(4)現世熱水試料の化学分析(分担:石橋)を行なった。以下、その内容について簡単にまとめる。 (1)ガスクロマトグラフ(GC)と高速液体クロマトグラフ(LC)を導入し、熱水と流体包有物の化学組成を、高感度で化学分析できるシステムを構築した。また分析条件、分析精度の検討を(4)に述べる現世熱水試料の分析を通じて行なった。 (2)南西太平洋ラウ海盆における潜航調査に参加する機会を得て、現世の熱水鉱床地帯からの熱水試料と鉱石試料の採取を行った。熱水を採取した噴出孔から鉱石試料を採取することで、熱水化学組成と流体包有物の化学組成を、対にしながら直接比較検討できる試料を得ることができた。 (3)赤外線顕微鏡を導入して、(2)の現世試料を対象にした鉱物観察および流体包有物の温度・塩分測定を開始した。 (4)(2)で得ちれた現世熱水試料の化学分析を行った。その結果、ラウ海盆の現世熱水活動の地球化学的特徴として、(a)マグマ由来の揮発性成分に富んでいること,(b)強い酸性を示し、金属元素に富んでいること,(c)インコチパチブル元素の濃度が高いこと,(d)海底下での二相分離あるいは熱水海水混合を示唆する主要成分組成を示すこと,などの知見が得られた。これらの成果については、学会などで発表を行ない投稿論文を準備中である。 以上のように、分析システムを構築して、これを用いた現世熱水試料・鉱石試料の予察的な化学分析を行うとした当初の計画を順調に実施した。
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Research Products
(1 results)