2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340173
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
石橋 純一郎 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20212920)
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Keywords | 熱水化学 / 流体包有物 / 海底熱水系 / 熱水性鉱床 / 南西太平洋 / 背弧海盆 / 鉱床成因論 |
Research Abstract |
本研究計画の最終年度である今年度は、流体包有物の化学組成を明らかにする研究,現世熱水鉱床における熱水化学組成と鉱化作用の関連性を解明する研究を進めるとともに、成果発表を行った。 鉱石試料中流体包有物の化学分析は、南部マリアナトラフ現世熱水鉱床から採取された硫化物試料を用いて行った。真空容器中で試料を粉砕しGCシステムに導いて気体成分を分析したところ、二酸化炭素、メタンに富んだ気体成分が得られ、熱水成分を反映した組成であることが明らかになった。 南西太平洋の現世熱水鉱床の試料に対する研究については、ニュージーランド地質学核科学研究所のコーネル・デロンダ博士との共同研究により、放射性核種の定量による年代測定を行うことができた。昨年度までの熱水化学組成・鉱物組成の研究と合わせて、南部マリアナトラフにおける熱水鉱床形成史を考察するための制約条件を得ることができた。この成果をもとにして黒鉱鉱床形成史の復元について議論する今後の研究展開が期待できる。 成果発表については、南西太平洋の諸海域における現世熱水鉱床の研究成果を中心に、地球惑星科学連合大会(5月)、第19回世界鉱物学連合会議(7月)、ゴールドシュミットコンファレンス(8月)、日本地球化学会年会(9月)、第23回しんかいシンポジウム(3月)といった国内・国際学会において、共同研究を行った学生諸氏とともに、成果発表講演を行った。ラウ海盆現世熱水鉱床の研究成果については、昨年度の論文発表に引き続き、微生物学的解析との共同研究論文を投稿中である。沖縄トラフ現世熱水鉱床の研究成果については、熱水化学組成から推定される海底下の熱水二相分離現象について雑誌論文として今年度公表するとともに、この現象に伴う熱水鉱化作用の多様性、および鉱床形成過程における位置づけを議論する論文を投稿中である。
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Research Products
(3 results)