2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスコピックプラズマプロセス支援新規ハイブリッド電子デバイス開発の基礎研究
Project/Area Number |
16340176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 孝道 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80260420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 俊郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30312599)
大原 渡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312601)
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
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Keywords | アルカリ-フラーレンプラズマ / アルカリ金属内包フラーレン / 直流バイアス電圧制御 / 新規超分子構造ナノチューブ / バイアス制御によるイオン照射 / 電界効果型トランジスター / 電気伝導特性 |
Research Abstract |
本年度は、アルカリ金属内包フラーレンとしてはリチウム(Li)を内包したC_<60>(Li@C_<60>)、新規超分子構造ナノチューブとしてはセシウム(Cs)もしくはC_<60>を内包した単層カーボンナノチューブ(SWNTs)[Cs@SWNT及びC_<60>@SWNT]を対象とした実験を行った。Li@C_<60>は、アルカリ正イオンとC_<60>負イオンから成る異極性イオンプラズマ(アルカリ-フラーレンプラズマ)中に導入した基板への直流バイアス電圧制御により形成させた。一方、Cs@SWNT及びC_<60>@SWNTは、同一プラズマ中に導入した単層カーボンナノチューブ(SWNT)塗布基板に、正・負イオンの選択的なイオン照射処理を行うことにより形成させた。実験結果は、以下の通りである。 Li@C_<60>の電気的特性の測定 Li@C_<60>を用いた薄膜作製を行ったが、不純物等の混入により、良質の薄膜を形成することが困難であった。ゆえに、これらの諸問題を解決する方法として、超高真空中での高純度蒸着等が必要である。現在、超高真空装置を用いた蒸着による実験を進めており、その比較・検討の後にプラズマイオン及びラジカル種照射による薄膜表面改質・活性化効果の検証を行う予定である。 Cs@SWNT及びC_<60>@SWNTの電気的特性の測定 電気的特性の評価には、シリコンウエハー表面に酸化膜(SiO_2)を形成し、その上にチタン/金電極を形成させた電界効果型トランジスター(FET)構造のチップを使用した。溶媒による分散処理を施したCs@SWNTs及びC_<60>@SWNTsを、FETチップのソース-ドレイン電極間に架橋させた状態で測定を行った。FETのゲート電圧(V_G)に対するソース-ドレイン間電流(I_<SD>)の依存性を測定した結果、Cs@SWNTsはn型の特性を示すことが今回初めて判明した。通常、C_<60>@SWNTsはp型の電気伝導特性を示すことから、Cs内包によってSWNT内部の電子状態が変化したためであると考えている。
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Research Products
(6 results)