2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波プラズマを用いる低温滅菌技術の開発とその医療応用への展開
Project/Area Number |
16340180
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
永津 雅章 静岡大学, 工学部, 教授 (20155948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神藤 正士 静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
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Keywords | プラズマ滅菌 / 表面波プラズマ / 体積波プラズマ / 酸素ラジカル / マイクロ波プラズマ / 低温滅菌 / 紫外線 / 医療応用 |
Research Abstract |
本研究では高密度かつ大容積マイクロ波プラズマを用いた新しい低温滅菌技術の研究開発を目的とし、さらに研究成果を医療分野へ応用・展開することを最終目標としている。平成17年度では、主にカテーテルなどの特殊医療器具のプラズマ滅菌の可能性を調べることを目的として実験を行った。主な研究成果を以下に列記する。 (1)酸素プラズマのパルス変調実験:プラスチックなどの樹脂材ではプラズマの熱による熱的問題を回避することが不可欠である。この効果を検証するため、パルス発振動作が可能なマイクロ波発振器を設備備品として配備し、プラズマ滅菌実験を実施した。実験の結果、オン時間とオフ時間の制御により、樹脂材の適用温度上限である75度以下に温度低減できることを確認した。 (2)パルス変調酸素プラズマにおけるラジカル生成と制御:前項のパルス変調マイクロ波を用い、酸素プラズマおよび酸素・窒素混合ガス放電プラズマのオン・オフ時間をそれぞれ変化させた場合の滅菌特性を明らかにした。 (3)体積波モードのプラズマ生成実験:通気性樹脂製包装紙にパックされた医療器具の滅菌を行うため、体積波プラズマを用いた滅菌実験を実施した。体積波プラズマの生成は平板状マイクロ波ランチャーを用いて実現できることを示し、樹脂容器内部に体積波プラズマが生成できることを実証した。またパルス放電プラズマを用いて、グラシン紙に包装されたバイオロジカルインディケータ(枯草菌)を20分程度で滅菌できることを示した。 (4)医療器具材料のプラズマ照射試験:カテーテル等の各種樹脂材の酸素プラズマ照射による材質変化の有無を調べた。実験の結果、引っ張り強度試験ではナイロン系材料以外はほとんど影響が少ないことを確認した。 (5)研究成果のまとめ:本研究の成果は、応用物理学会などの国内学会に17件、国際会議12件発表を行い、著書1編、学術論文誌12編の発表を行った。またマイクロ波プラズマ発生装置およびその応用に関わる特許を2件出願した。
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Research Products
(27 results)