2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起蛍光偏光分光法による磁場閉込めプラズマ周辺電場計測法の開発
Project/Area Number |
16340183
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
多幾山 憲 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (40112180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 慎一 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (00343294)
尾田 年充 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (60034550)
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Keywords | レーザー誘起蛍光偏光分光法 / プラズマ電場計測 / シュタルク効果 / ヘリウム準安定原子 / 磁場閉じ込めプラズマ / ペニング放電 |
Research Abstract |
本研究の目的は、プラズマの閉じ込めに関与する径方向電場分布を原子のシュタルク効果により直接計測可能な計測システム開発のために、レーザー誘起蛍光(LIF)偏光分光法の適用限界を電子密度と磁場の影響に焦点を絞り、実験的に明らかにすることである。本年度は主として円偏光法の基本原理であるシュタルク・電気四極子干渉への磁場の影響の解明を目標とした。以下に結果をまとめる。 1)弱磁場下での成果 電場分布が既知の円筒型ホロー陰極放電プラズマのシース電場分布に円偏光法を適用した。その結果、5-300Gまではこの方法が適用できることが確認できた。また、本方法が電場強度だけでなくその極性をも決定できることを実証した。 2)強磁場下での成果 300G以上の実験にはホロー陰極放電は使えないため、マグネトロン放電を用いた。この放電で1500Gまでプラズマを生成できた。この様な磁場領域では、He原子の励起準位4^1Dがゼーマン効果により分裂する。この状態で、分裂幅よりも狭いスペクトル幅を持つレーザーでHe準安定原子を励起した場合にシュタルク・電気四極子干渉が起こりうるのかどうかを実験的に調べた。磁場に直交する電場が存在するマグネトロンプラズマシースにレーザーを打ち込み、レーザー波長を走査することによってLIFの励起スペクトルを測定した。印加した磁場は0.75kG、1.13kG、1.5kGである。得られたスペクトルを、各磁気副準位への吸収スペクトル線形をガウス分布と仮定し、デコンボリューションを行った結果、スペクトル中にシュタルク・電気四極子干渉項による吸収遷移が含まれていることが示された。 以上の結果は、円偏光法が、核融合プラズマのように強磁場が存在するプラズマへの適用の可能性を示している。また、磁場を用いないプラズマでも、プラズマに影響を与えない程度の弱磁場(5G程度)を印加することによって精緻な電場計測が可能になることも示した。特に、電場の極性の決定が可能であるため、複雑なポテンシャル構造の測定には強力な手法となりうる。
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Research Products
(2 results)