2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミック過程の超短時間パルスレーザーによる多光子反応制御
Project/Area Number |
16350012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 裕 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50294161)
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Keywords | フォトクロミズム / フェムト秒分光 / ピコ秒分光 / 多光子吸収 / 非線形過程 / レーザーフォトリシス |
Research Abstract |
フォトクロミック反応は、光照射により分子内の化学結合の変化が起こる異性化反応であり、結合様式の変化に伴い、吸収スペクトルや多くの物性が変化する。最近、我々は逐次的な多光子吸収によって高位電子励起状態に励起された場合に、最低励起状態では非常に小さい反応収率しか持たないフォトクロミック分子系(ジアリールエテン類やフルギド系)が、非常に効率よく(50%から100%、あるいは定常光照射の数十倍から約千倍)異性化反応を行う結果を見出した。本研究ではこのような多光子励起による反応のダイナミックスを(1)ピコ秒、フェムト秒分光によって詳細に測定し、(2)励起光強度、波長、パルス幅(フェムト、ピコ、ナノ秒)と反応収率の関係、反応を司る電子状態の性質を明らかにすることを目的とし、以下の結果を得た。 1.ピコ秒パルスレーザーを用いた多光子反応のインコヒーレント制御 ピコ秒レーザー励起による時間分解過渡吸収分光法を中心とした測定を行い、反応効率の詳細な励起光強度依存性、また実験値に対するコンピューターシミュレーションを行い高位励起状態からの反応収率等に関する定量的な知見を得た。簡便なパラメトリック波長変換装置を作成し、励起波長効果を検討した。これらの結果、ピコ秒532nmの波長での励起条件でジアリールエテン誘導体の高位励起状態からの開環反応(閉環体→開環体)収率は、50%と定量的に決定できた。 2.2段階励起によるピコ秒多光子反応ダイナミックスの測定 新たに光学部品を購入しピコ秒パルスを、同じ出力を持つ2つのパルスに分割し、時間差をとって系に照射することによって、2番目の光子の吸収に対する遷移始状態が、S1状態であることを決定した。また、フルギド系ではこの始状態の他に、レーザーパルスのコヒーレント効果によってより効率の良い多光子効果が観測できた。
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Research Products
(6 results)