2005 Fiscal Year Annual Research Report
かご状炭素ナノ物質の成長シナリオ全過程の解明と構造制御
Project/Area Number |
16350014
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
阿知波 洋次 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (20002173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城丸 春夫 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助教授 (70196632)
鈴木 信三 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助手 (10226516)
片浦 弘道 (独)産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, グループ長 (30194757)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / フラーレン / 炭素ナノ物質 / 生成過程 |
Research Abstract |
本年度は、溶媒可能なフラーレン類とほぼ同じ直径(1nmよりも細い)分布を持つ単層カーボンナノチューブを生成するRh/Pd金属-炭素混合ロッドを対象として、Ar及び窒素ガス雰囲気中で高温レーザー蒸発法によりナノチューブの作製を行った。また同時に得られるフラーレン類について、その生成効率について評価した。その結果、以下のような実験事実が得られた。 1.窒素ガス雰囲気中とアルゴンガス雰囲気中を比較すると、窒素ガス雰囲気中の方が、得られる単層カーボンナノチューブの直径が1nmよりも細いものから太いものまで広く分布していることが分かった。それらの結果は、ラマン散乱、紫外可視近赤外の吸収スペクトル測定、孤立分散化した単層カーボンナノチューブを対象とした近赤外領域における発光マッピング測定により確かめられた。特に窒素ガス雰囲気中においては、カイラル指数で(6,5)あるいは(5,4)で表現される半導体的特性をもつ極めて細い単層カーボンナノチューブだけを含む試料を作ることができた。また直径が1nmよりも大きな単層カーボンナノチューブが、十分成長するためには、比較的高温雰囲気で数十分程度、アニーリング時間が必要であることも分かった。 2.一方、フラーレン類の生成に関しては、Rh/Pdと窒素ガス雰囲気中の場合に、単層カーボンナノチューブが生成しやすい条件においては、溶媒可溶あるいは昇華性のフラーレン類としては、ほとんど存在しないことが分かった。 3.これらの実験結果を説明するために、次のようなモデルによる説明を試みた。同じ圧力、同じ雰囲気温度で比べた場合、レーザー蒸発直後の炭素微粒子や金属微粒子に対する冷却効果は、窒素ガスの方がアルゴンガスに比べて大きい。従ってレーザー蒸発法によって生成するRh/Pd微粒子が、単層カーボンナノチューブの生成場として働く温度に到達する時間が、窒素ガス雰囲気の方がアルゴンガス雰囲気よりも短いと考えれば、フラーレン前駆体が完全なフラーレン構造体になる前に、ナノチューブの前駆体として消費されると考えることができる。
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Research Products
(6 results)