2005 Fiscal Year Annual Research Report
動的近接場分光法による励起伝播ダイナミクスの分子科学
Project/Area Number |
16350015
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
岡本 裕巳 分子科学研究所, 分子構造研究系, 教授 (20185482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 考平 分子科学研究所, 分子構造研究系, 助手 (80342632)
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / プラズモン共鳴 / 金属微粒子 / ナノロッド / 波動関数 / 超高速現象 / 空間コヒーレンス |
Research Abstract |
1.広域波長可変超短パルス光源の製作 動的近接場分光法を様々な系に適用するため,昨年度に引き続き広帯域波長可変超短パルス光源の開発を行った。PPLN結晶を非線形媒体とした同期励起光学パラメトリック発振器の製作をとりあえず完了し,発振のテストを行っているが,現時点までに安定発振に成功していない。今後も発振の努力を継続する予定である。 2.微粒子の素励起と周囲との相互作用 プラズモン共鳴の波動関数のイメージングと分光特性の解析を昨年度に引き続き行った。金のナノロッドに加えてナノ三角プレートについても測定を行い,同様の解析が可能であることを示すとともに,三角プレートに特徴的な分光特性を明らかにした。金の二光子発光過程の偏光特性等を詳細に検討し,金の結晶構造とプラズモン共鳴により説明できることを示した。球状ナノ微粒子の凝集構造を作成し,その周囲における電場増強分布が理論的な予測と一致することを,近接場イメージングによって初めて示した。またこの電場増強効果が表面増強ラマン散乱の主要な起源であることをも明確に示した。金ナノ微粒子と色素分子が共存し相互作用する系を作成し,近接場イメージングを行った結果,プラズモン共鳴による電場増強の大きさや分光特性が,微粒子の形状,サイズ,凝集状態によって大きく影響を受けることがわかった。 3.近接場における光熱変換の方法 光熱分光法の手法を近接場に適用し,微小領域の熱励起を測定する試みを昨年度に引き続き行ったが,まだ現時点で熱レンズの測定に至っていない。
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Research Products
(11 results)