2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350018
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤阪 健 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60089810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 茂 大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所, 理論研究系, 教授 (30134901)
土屋 敬広 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10375412)
前田 優 東京学芸大学, 教育学部・化学科, 助手 (10345324)
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Keywords | ケイ素 / フラーレン / ランタノイド金属 / 複合系 / 金属内包フラーレン |
Research Abstract |
1)M2@C80の反応性解明 M2@C80は、C80(Ih)という非常に対称性の良いフラーレンケージ内で2つの金属原子が自由に回転運動している構造をしていることを、すでに申請者らは明らかにしてきた。M2@C80においては、C80ケージは内包金属からそれぞれ三電子を受け取り、C80^<6->という電子構造をしている。また、M2@C80の低いLUMOは2つの金属間の結合性軌道に存在していることを理論計算から明らかにしてきた。そこで、本研究ではこれらのM2@C80の反応性を明かとするためにジシリランとの反応を検討した。本反応においてはM2@C80は電子受容体として働くために、金属上に存在するLUMOがどのように反応に関与するのかが非常に興味がもたれる。また、同じ炭素ケージを有し、同様の電子状態である金属内包フラーレンSc3N@C80についても同様のジシリランとの反応を行った。Sc3N@C80のLUMOは、M2@C80のLUMOと異なるため反応性にどのような影響を与えるのか非常に興味深い。さらに、M2@C80のLUMOの状態を明かとするために、M2@C80アニオンを合成し、その構造を明らかにした。 2)ケイ素化金属内包フラーレンの構造決定及び物性解明 M@C82,M2@C80,Sc3N@c80のケイ素化体を大量合成し、ESR, NMR、X-線結晶構造解析等によりその構造を明らかにした。特に、M@C82のケイ素化体は常磁性分子であると予想されるので、これらについてはイオン化により反磁性化を行い、NMRによる構造決定を試みた。 また、これらの物性解明のために、酸化還元電位の測定を行った。ケイ素化により電子供与性の向上が観測された。さらに、f電子を有する金属内包フラーレンの誘導体についてはNMRによる常磁性シフト等の測定を行い、その磁気的特性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)