2005 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴチオフェンを基盤とする機能集積拡張共役系の創製と新機能開拓
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16350022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安蘇 芳雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60151065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80362622)
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Keywords | オリゴチオフェン / チオフェン縮環イミダゾリウム / 共役拡張オリゴマー / 光誘起電子移動 / 酸化還元電位 / 分岐型オリゴチオフェン / 自己会合 / n-型有機半導体 |
Research Abstract |
構造の明確なナノ共役物質を用いて長距離・広範囲にわたるπ電子の非局在化の制御を目的として,オリゴチオフェン分子ワイヤを基本骨格とする機能集積および超分子集積を施した拡張共役系の基礎および応用の両面から以下の研究を行った。 1.オリゴチオフェン分子ワイヤを介した光誘起電子移動の外部刺激による制御を目的として,2つのエチニルオリゴチオフェン4量体で共役拡張したチオフェン縮環イミダゾリウムの片末端にドナーとして亜鉛ポルフィリンを他端にアクセプターとして[60]フラーレンを連結した化合物の合成を行った。ベンゾニトリル中でポルフィリン部蛍光のクエンチが観測され,ドナー部からアクセプター部への光誘起分子内電子移動が起こっていることが分かった。イミダゾリウム部の対イオンによりこの割合が変化し,PF_6塩にフッ化物イオンを加えることで,蛍光強度の増大,すなわち分子内電子移動の促進を観測し,対イオンによるスイッチングが可能であることが示された。 2.オリゴチオフェン4量体と9量体を基本骨格として,1,3,5-トリ置換ベンゼンを分岐部とする自己集合性のデンドリマー型オリゴチオフェンの合成を進め,NMRケミカルシフトの濃度変化と温度変化ら会合定数と熱力学的定数を決定した。多分岐および9量体の導入が安定化エントロピーに及ぼす効果が大きいことを明らかにした。また,予備的な電界効果トランジスタ特性の評価で,スピンコート薄膜を真空中室温で乾燥することで,良好なp-型特性を観測することができた。 3.n-型有機半導体の開発を目的として,フッ素化アルキル基導入オリゴチオフェンの分子設計と合成を行った。β位ヘキサフルオロシクロペンタン縮環チオフェンおよびジフルオロメチレン架橋ビチオフェンの開発に成功し,いずれのオリゴマーにおいても顕著なLUMOレベルの低下を観測した。
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