2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350038
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
一ノ瀬 泉 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, アソシエートディレクター (50243910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 建国 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 研究員 (60373362)
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Keywords | ナノファイバー / ナノストランド / DNA / 自己支持性膜 / ナノ分離膜 / 水酸化カドミウム / 水酸化銅 / 白金コーティング |
Research Abstract |
コンフォメーションやキラリティーなどの独立した有機分子の特徴を無機材料で再現できるならば、一つの新しい機能単位が得られる。本研究では、金属酸化物のナノ材料をこのような機能単位として捉え、その分子機能を探求している。17年度は、水酸化銅のナノファイバーの合成条件の最適化を行い、10000に近いアスペクト比を有するナノファイバーの合成に成功した。また、高分解能電子顕微鏡による観察、電子線回折、色素の吸着実験により、このナノファイバーの原子レベルの構造推定を行った。 水酸化カドミウムのナノファイバーは、自己支持性のナノ薄膜としてフィルター上に固定化できる。本年度は、これらの薄膜状のナノファイバーの構造を転写することで、ナノ多孔性の白金薄膜を作製した。ナノファイバーに白金を蒸着後、EDTA水溶液につけると、水酸化カドミウムのナノストランドが溶け出し、ネットワーク状の白金ナノ薄膜が得られる。4端子法による電気抵抗の測定から、自己支持性の白金ナノ薄膜の厚みと導電性の相関が詳細に検討された。多孔性の白金ナノ薄膜は、水素エネルギー利用のための触媒として興味が持たれる。 本年度は、水酸化銅のナノストランドがピロールの重合触媒として機能することが分かり、ナノストランドを鋳型とするファイバー表面での導電性高分子の重合が検討された。ポリマーの合成条件を制御すると、水酸化銅の回りに薄いポリピロールの薄膜を析出させることが可能であった。導電性高分子のコーティングの研究は、未だ改良の余地があり、次年度も条件の絞り込みを行う予定である。さらに本年度は、他の遷移金属イオンからなるナノファイバーやナノクラスターの探索的な研究も行った。
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Research Products
(3 results)