2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
細見 彰 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00004440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 信 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (50229150)
三浦 勝清 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20251035)
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Keywords | 高選択的ビニルシラン合成反応 / 多置換オレフィンの合成法 / 4-ペンチン-1-オール類 / アニオン種 / Lewis酸混合反応 / アルキル化反応 / 容器内多置換アルケン合成反応 / 炭素-リチウム化反応 |
Research Abstract |
本研究課題で今年度に得られた成果を以下に示す。 (1)鉄触媒によるアルキン類の炭素-金属化反応による高選択的ビニルシラン合成反応 炭素-炭素結合生成と共に基盤的な反応剤である有機リチウム反応剤が生成する不飽和結合への炭素-リチウム化反応は潜在的に高いポテンシャルを有する合成反応として期待できるが、これまで有機リチウム反応剤の高い塩基性のためにアルキン類の炭素-リチウム化は困難であった。研究代表者らが見つけた鉄触媒による炭素-リチウム化における制限を完全に取り払うために、配位性官能基がケイ素上に置換したアルキニルシラン類に対する炭素-リチウム化反応を実現する。高い一般性をもって生じた高反応性のビニルリチウム種と多様な求電子剤との反応も検討した。 (2)アルキン類の2電子還元反応による一容器内多置換アルケン合成反応 アルキン類のBirch還元では必ずプロトン化がなされてしまうため、有用なvic-ジアニオンを活性中間体として利用することはできない。アルキンがlithium4,4'-di-tert-butylbiphenylideにより2電子還元反応を受け、ジアニオン種が効率良く生成することを見つけた。この高い求核性を有するアニオン種を利用した新しい多置換オレフィンの合成法の確立を目指した。 (3)4-ペンチン-1-オール類の一容器内環化-求電子剤との反応 4-ペンチン-1-オール類のリチウムアルコキシドに臭化マンガン(II)を作用させることにより環化し、続けて炭素求電子反応剤を作用させたところ、含酸素5員環にさらに求電子剤由来の炭素骨格が導入された化合物が効率よく生成することを見つけた。多様な求電子剤との反応を実現すること、マンガンに関する触媒化を行うこと、各種選択性の発現を目指した。 (4)有機金属反応剤-Lewis酸混合反応系による集約的合成反応 有機マンガン反応剤とLewis酸の混合反応系が特異な反応性を示すことを見つけた。(a)マンガン反応剤存在下でのカチオン性の中間体を経由する転位反応(b)C-グリコシル化反応における単純なアルキル基の導入反応(c)Lewis酸によるアルケン類の環化反応-アルキル化反応を実現する。
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Research Products
(7 results)