2005 Fiscal Year Annual Research Report
コバルト触媒を用いる新規炭素-炭素結合生成反応の開発
Project/Area Number |
16350053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依光 英樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (00372566)
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Keywords | コバルト / ラジカル / 結合生成 / ハロアルカン / 有機金属 |
Research Abstract |
交差カップリング反応は有機合成上極めて強力な炭素-炭素結合生成法である。ハロゲン化アルキルを用いる交差カップリング反応は、中間に生じるアルキル遷移金属のβ-水素脱離による分解が起こりやすいために通常容易ではない。研究代表者らはコバルト触媒によるハロゲン化アルキルとグリニャール反応剤の交差カップリング反応について研究を行っている。今回、コバルトジアミン触媒によるハロゲン化アルキルとアリールグリニャール反応剤の交差カップリング反応について検討を行った 触媒量の塩化コバルトジアミン錯体存在下、光学活性ブロモアセタールとフェニルグリニャール反応剤を作用させたところ、交差カップリング反応がジアステレオ選択的に進行し3-フェニルテトラヒドロフラン誘導体が収率よく得られた。 また、市販の光学活性シクロペンテンジオールモノアセタートのハロアセタールに対して交差カップリング反応を行うと、環化/交差カップリング連続反応が進行し、光学活性なコーリーラクトン類縁体へと変換することができた。さらに、これを鍵とした非天然プロスタグランジンAH13205の全合成を達成した。 触媒量の塩化コバルトジアミン錯体存在下、2-ヨードシクロヘキサノールのジメチルビニルシリルエーテルに対して、フェニルグリニャール反応剤を作用させたところ、環化に引き続きフェニル基のカップリング反応が進行し、ベンジル置換オキサシラシクロペンタン誘導体が収率よく得られた。また、得られたオキサシラシクロペンタンは玉尾酸化によって対応するジオールへと変換することができた。
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Research Products
(5 results)