2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールからの官能基変換法の革新;ヒドロキシ基の直接置換法の開発
Project/Area Number |
16350056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 章夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20144438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝田 育也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10196420)
安田 誠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40273601)
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Keywords | インジウム / 水酸基 / 塩素化 |
Research Abstract |
アルコールの直接塩素化の開発を中心に行った。インジウム触媒と配位子(ベンジル)を組み合わせると、クロロヒドロシランを用いることで、アルコールを塩素化物に直接変換することに成功した。本系は、完全に中性条件で進行する特長を有しており、従来から一般的に行われている強酸条件の塩素化手法をはるかにしのぐ系を見いだすことができた。 本反応の具体的成果を以下に示す。 反応のメカニズム解明 アルコールとクロロヒドロシランからはじめに脱水素が起こり(ガスクロマトグラフィーにより確認)、クロロシリルエーテルが中間体として発生する。インジウム触媒の効果により、脱シロキシを伴う塩素化が進行する。この経路において、添加物のベンジルが効果的に働き、高配位化ヒドロシランが発生する点が鍵となることをつきとめた。 水素発生速度を向上させる配位子の検索 ベンジルが顕著な効果を持つこと、ジエステルは全く効果を示さないことが明らかになった。この事実を手がかりに、新しい配位子の検索を幅広く行った結果、α-ジケトンが最も高い効果を示した。 反応の適用範囲の拡大 機構解明をサポートする意味からも、数多くの反応を幅広く実施し、多くの基質に対して反応が適応可能であることを明らかにした。酸に弱い基質に対しても、全くその官能基に影響を及ぼすことなく、対応する生成物を高収率で与えた。 選択的反応 一級と三級のヒドロキシ部位を同一分子内に含む基質用いた場合、三級選択的に反応が進行した。この選択性は、現在まで報告されている中では、最も成績の良いものである。
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Research Products
(7 results)