2006 Fiscal Year Annual Research Report
異種金属の複合利用による電子移動制御と高効率合成反応の開発
Project/Area Number |
16350057
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Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高井 和彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00144329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押木 俊之 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80311794)
國信 洋一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40372685)
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Keywords | クロム / ニッケル / タンタル-アルキン錯体 / レニウム触媒 / 炭素-水素結合活性化 |
Research Abstract |
低原子価金属からの有機化合物への電子移動が微量の異種金属の添加により促進されるという効果について、とくに応用面をクロム(II)と微量のニッケルの系を中心に検討した。この系を用いるとハロゲン化アルケニルからアルケニルクロム反応剤が調製できるが、クロム反応剤が微量の水の添加では加水分解されにくいことを利用し、アルキンとアルデヒドのカップリング反応を開発し、2003年に速報として報告した。この反応における水の添加効果などをさらに検討し、本論文としてTetrahedron Symposia-in-Printのニッケル特集号に掲載(Tetrahedron 2006,62(32),7534-7539)された。 タンタルを亜鉛で還元して得られる低原子価タンタルをアルキンに作用させるとタンタル-アルキン錯体が生じる。とくにシリルアセチレンのタンタル錯体の配位子交換反応について研究した(Organometallics 2007,26(1),173-182)。 上記の研究と平行して、低原子価の金属錯体を用いる触媒反応の開発に取り組んだ。その結果、これまであまり有機合成に用いられてこなかったレニウム錯体を触媒として用いるC-H結合の活性化を経由する新たな合成反応をいくつか開発した。主な研究成果をあげる:(1)レニウム錯体触媒[ReBr(CO)_3(thf)]_2を用いる芳香族アルジミンとアセチレンとの反応によるインデン誘導体の合成;(2)レニウム錯体触媒を用いる芳香族ケチミンとアルデヒドとの反応によるイソベンゾフラン誘導体の合成;(3)触媒量のアニリンとレニウム錯体を用いる芳香族ケトンとα,β-不飽和カルボニル化合物との形式的[3+2]型付加環化反応によるインデン誘導体の高原子効率合成。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Titanium and Zirconium Complexes with Non-Salicylaldimine-Type Imine Phenoxy Chelate Ligands : Syntheses,Structures,and Ethylene-Polymerization Behavior.2006
Author(s)
Suzuki, Y., Tanaka, H., Oshiki, T., Takai, K., Fujita,T.
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Journal Title
Chem.Asian J. 1巻・6号
Pages: 878-887