2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒反応によるアルコールの直接的な両極活性化:C^+, C^-イオンの生成
Project/Area Number |
16350058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
|
Keywords | ニッケル触媒 / パラジウム触媒 / アリル化 / アルデヒド / C-C切断 / 極性転換 / アリルカチオン / アリルアニオン |
Research Abstract |
双環式カーボネート(例えば、hexahydro-4-vinyl-4H-benzo[d][1,3]dioxin-2-one)がパラジウムを触媒として脱炭酸、β-炭素切断をうけ、ω-ジエニルアルデヒドを与えるという新反応は既に報告している。これに関係して、本研究課題では以下の新発見をした。 1)同様の脱炭酸、β-炭素切断による、ω-ジエニルアルデヒドの合成がより安価なニッケルを触媒としても進む。この際、配位子としてbite angleの大きいDPPBやDPPFが有効であった。bite angleの小さいDPPEやDPPPおよび単座配位子は全く無効であった。また、合成上の大きな利点として、パラジウムを触媒とするよりも、より高いE選択性が得られた。 2)双環式カーボネートの原料であるジオール(例えば、2-(1-hydroxyallyl)cyclohexanol)を用いても、パラジウムを触媒を触媒とすると同様の切断反応が進みω-ジエニルアルデヒドを与える。即ち、アルコールを(この場合は形式的にはアリルカチオンとして)直接活性化することができた。なお、この場合、反応を促進のためには有機ホウ素化合物が必須である。 アリルアルコールをアリルアニオン等価体として活性化し、各種アルデヒドをアリル化することに成功した。即ち、パラジウムを触媒として用い、Et3BないしはEt2Znを還元剤として用いることにより、アリルアルコールによるアルデヒドの求核的なアリル化法を開発した。
|
Research Products
(7 results)