2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーブランチポリシロキサンポリマーブラシの作製と環境材料への応用
Project/Area Number |
16350060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 雅明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90152595)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / ポリシロキサン / ポリマーブラシ / 表面修飾 / ラジカル重合 / 表面吸着 |
Research Abstract |
固体表面上に機能性高分子を密なブラシ状に形成させる方法が注目を集めている。これは広い意味でポリマーブラシと呼ばれている。本研究ではハイパーブランチポリシロキサンを使って、無機固体表面上に新たな機能性ポリマーブラシを構築する方法を開発し、これを環境ホルモン除去用のフィルターや有機溶媒を使用しない「グリーンクロマトグラフィー」に応用することを目的とする。本年度はまず、末端官能基化されたハイパーブランチポリシロキサンの合成を行った。以前より報告されているハイパーブランチポリシロキサンの合成法として、オレフィンとヒドロシランを持つAB_2モノマーの自己縮合による方法があるが、この場合には末端オレフィンのハイパーブランチポリシロキサンが合成できる。オレフィンはさらなる官能基変換が可能であり、アルキル基やパーフルオロアルキル基等の疎水性基、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等、種々の末端官能基を有するハイパーブランチポリシロキサンを合成できる。本年度は水酸基、チオール基、カルノキシル基、エポキシ基、アルキル基、パーフルオロアルキル基、トリエトキシシリル基の導入に成功した。さらに、末端オレフィンを使用してポリマーをブロックとして導入することができるが、ATRP方によるリビングラジカル重合を使用して、N-イソプロピルアクリルアミドのブロック共重合に成功した。次にシロキサンポリマーブラシの作製と評価を行った。以上のように合成した末端官能基化さされたハイパーブランチポリシロキサンを平滑なガラス表面に塗布する、あるいはハイパーブランチポリシロキサン溶液にガラス基板を浸積するだけでポリマーブラシを生成させることができる。浸積溶液の濃度や浸積時間等の詳細な検討を行った結果、効率よく吸着すること認めた。
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