2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーブランチポリシロキサンポリマーブラシの作製と環境材料への応用
Project/Area Number |
16350060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 雅明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90152595)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / ポリマーブラシ / グリーンクロマトグラフィ / ポリセスキオキサン / 導電性高分子 / コンデンサー / 表面吸着 / 表面修飾 |
Research Abstract |
固体表面上に機能性高分子を密なブラシ状に形成させるポリマーブラシが注目を集めている。本研究ではハイパーブランチポリシロキサン(ハイパーブランチポリシロキシシラン)(HBPS)を使って、無機固体表面上に新たな機能性ポリマーブラシを構築する方法を開発し、これを有機溶媒を使用しない「グリーンクロマトグラフィー」等に応用することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き末端官能基化されてHBPSの合成を行った。昨年度まではAB2形のモノマーを使用していたが、本年度はより官能基数が稼げるAB3形モノマーの合成と重合を行い。AB2同様にHBPSの合成が可能であること、また末端官能基化も同様に進行することを確かめた。一方、キュービックポリセスキオキサン(POSS)をHBPSの末端に導入したところ、高い結晶性を有するHBPSが得られた。このものは約100℃低いPOSSの融点と約100℃高いHBPSのTgを示し、そのX線回折像は末端に導入したPOSSと同じであった。これは、結晶性のハイパーブランチポリマーの最初の例であると思われる。HBPSはガラスやシリコン基板等の無機酸化物表面によく吸着することを昨年報告したが、これは物理吸着であり、特に水に対しては容易に剥離が起こることを認めた。そこで、要部や末端にトリエトキシシリルを導入することで、無機酸化物表面との吸着が化学吸着となり、非常に強固となることを確かめた。導電性高分子形コンデンサーは高性能小型コンデンサーとして市販されているが、より高い容量とする目的で、HBPSをアルミ酸化物絶縁体表面に塗布したところ、容量の大きな改善が見出せた。これは、HBPSがアルミ酸化物方面の凹凸を埋めて、その表面に導電性高分子層が滑らかに接触するためであると考えられる。
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