2005 Fiscal Year Annual Research Report
アキラル量に制御されたらせん選択制御重合による超分子ラダーキラル二重らせん高分子
Project/Area Number |
16350061
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80212372)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆司 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (90272856)
寺口 昌宏 新潟大学, 自然科学系, 講師 (30334650)
|
Keywords | らせん選択制御重合 / 超分子 / ラダー高分子 / キラル高分子 / 二重らせん高分子 / 重合制御 / 不斉認識制御 |
Research Abstract |
1.「らせん選択制御重合」の機構の解明および展開 この触媒的不斉重合において,左巻きおよび右巻きらせん高分子を生成する重合触媒活性種の構造を決定すべくロジウム原子にキラルアミンを一分子配位した触媒種および二分子配位した触媒種の調製について研究を行った。新たにキラルな金属アミドとロジウム二核錯体との反応により、配位結合と比較して強い結合であるRh-N共有結合によりキラルアミンが一分子配位した触媒活性種の調製を検討した。系中で調製した活性種を用いて重合を行ったところ、らせん選択重合が達成できることが明らかになった。従来の条件で重合した場合と比べて、収率、分子量、[θ]_<308>ともに大きく触媒の活性は高かった。また、ロジウム原子にアミンが一分子が配位していると仮定される場合と同様に[θ]_<308>が負の値であった。錯体のCDスペクトルは金属錯体由来の吸収領域に大きなコットン効果を示し、Rh-N共有結合を持つ錯体が得られたことが示唆された。さらにこのRh-N結合を持つキラル錯体の結晶化による単離を検討中である。 このキラリティーをアキラル量で制御できることは極めて特殊な現象であるとともに自然界のキラル構造の起源を想起させるもので、基礎科学的にも大変興味深く、現象の原因(重合機構)解明と、重合活性種の特定およびこの現象の一般化に向けてさらに実験を続けている。 2.「らせん主鎖不斉のみに起因するピュアなラダーキラル二重らせん高分子」の不斉認識能 不斉認識能を調べるため、不斉反応の高分子触媒としての機能を調べた。1で得られた主鎖のみに不斉構造を持つポリマーが不斉反応触媒として機能するかを調べるために,この高分子のペンダントにアキラルな4座配位子を導入するべくモノマーを新たに設計し、合成した。これにより、高分子鎖内のモノマーユニット側鎖間で四座配位子を形成させ、その配位スペースへ配位した金属触媒による不斉反応の検討が可能になる。
|
Research Products
(4 results)