2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350075
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒殿 誠 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20175970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧上 隆智 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40271100)
大島 広行 東京理科大学, 薬学部, 教授 (60176873)
松原 弘樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (00372748)
|
Keywords | 界面吸着膜の相転移 / 多重膜形成 / 界面張力 / フルオロカーボン |
Research Abstract |
1.フルオロカーボン鎖の両端にヒドロキシル基をもつ1H,1H,10H,10H-Perfluorodecane-1,10-diol(FC10diol)のヘキサン溶液と水界面の界面張力を、溶質濃度および温度の関数として測定し、FC10diolは多重膜を形成することを明らかにした。まず界面張力-温度および-濃度曲線は折れ曲がりを持つことが実験により示された。その熱力学的解析の結果、界面張力-濃度曲線の折れ曲がりの直前および直後における吸着量は、それぞれ1.9および10μmol m^<-2>であった。FC10diolの分子モデルから計算される分子の幾何学パラメータから計算すると、直前では分子のふたつのヒドロキシル基は水と接触したまま、フルオロカーボン鎖が密に充填している凝縮膜であることが示された。一方、直後では、直前の凝縮膜が5層集積した多重膜あるいはヒドロキシル基の一方が立ち上がって、その上に他のFC10diolが凝縮膜を形成している2重膜のいずれかであると結論づけた。界面張力-温度曲線から得られるエントロピーの値もこれを支持している。 2.昨年度の研究では、1本鎖-2本鎖陽イオン混合系では、自発的に積層構造が形成されるものの、平衡状態として存在できるかどうか疑問であった。この系の自発的な積層構造が過渡的(準安定状態)であるかあるいは平衡状態であるかを、熱力学手法および今年度新しく導入した反射FTIRにより確認した。最終的結論には至っていないが、準安定状態である可能性が高いとされた。 3.一方で、糖系界面活性剤の疎水基の構造変化により臨界充填パラメータを制御することにより、バルク中のみならず界面でラメラ層を形成する可能性があることが分ってきた。これをもとに通常の直鎖疎水基を適切に枝分かれさせた糖系界面活性剤を合成中である。
|
Research Products
(2 results)