2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ素構造体の動的階層構造を電位で可逆制御することによる界面機能化
Project/Area Number |
16350077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相樂 隆正 長崎大学, 工学部, 教授 (20192594)
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Keywords | 電極表面 / 吸脱着 / 相転移 / 赤外反射分光法 / ビオロゲン / 蛍光性デンドリマー / 両親媒性長鎖分子 / 長鎖分子集合組織 |
Research Abstract |
1.金属単結晶電極表面での赤外反射スペクトルを、電極をハンギングメニスカス配置から上下平行移動するだけで測定できる外部光学系を設計・構築し、性能を確認した。 2.分子集合系における電位に依存した分子間相互作用の大きさを定量的に把握する目的で、カルボキシル基をもつビオロゲンの相転移挙動を、HOPGベーサル面電極を用いて検討した。その結果、一対のカルボキシル基間の水素結合による安定化エネルギーが、相転移双安定電位領域の広さにして約54mVに相当することを見積もることができた。 3.末端に電位応答性の吸脱着活性基をもつ長鎖分子の吸着層における相変化挙動を明らかにするために、アルキル長鎖の末端に4-ピリジル基またはイミダゾリル基を持つ分子を合成し、Au(111)単結晶電極表面における動的吸着組織変化を検討した。いずれの分子も、コンパクトな単分子層から、脱着した凝集状態に至る相変化を起こしたが、その電位依存性のパターンは分子構造に敏感に依存した。特に、ピリジル基の電子構造(窒素原子の過剰電荷)が挙動を強く支配することがわかった。 4.外殻末端にピリジル基を持ち、コアに蛍光色素としてのアントラセンを持つ低世代のポリベンジルエーテルデンドリマーを合成し、Au(111)電極表面での電位応答を測定した結果、デンドリマーの気/液界面への初期展開量に依存して、ピリジル基の配向変化あるいはデンドリマーの部分的吸脱着のいずれかの応答が得られることがわかった。しかし、in situ蛍光測定で得た配向変化によるシグナルは微弱であり、また、平衡展開膜圧を超える展開量では、アントラセン部位での不可逆吸着を示唆する結果が得られた。今後、デンドリマーの設計を見直すとともに、高世代のもので測定を行う計画である。
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Research Products
(3 results)